印刷
更新日:2026年3月23日
ここから本文です。
富士山は悲鳴を上げています
富士山は古くから、「信仰の対象」「芸術の源泉」として人々に愛されてきました。しかし、現状を一言で説明するなら、「富士山は悲鳴を上げている」と言わざるを得ません。
世界文化遺産に登録された2013年以降、五合目の来訪者数は増え続け、受け入れ能力を超える規模に達しました。特にインバウンドの急増が影響し、コロナ禍の前には観光客数が世界遺産登録前から2倍以上に。
来訪者を乗せる大型バスの排気ガスが増えることに加え、混雑が原因で来訪者の満足度も下がっています。
この「オーバーツーリズム」を解消するために、夏に偏っている来訪者を分散させる方法を考えなければなりません。
五合目には電気と上下水道が敷かれていません。
電気は麓から運んだ重油などを燃やして発電機を動かしています。水も麓からタンクローリー車で運んでいます。
観光客を乗せる大型バスに加え、重油や水などを運ぶ大型車の排気ガスは大量で、自然環境に悪影響を及ぼします。
トイレは環境に配慮したバイオ式にしていますが、衛生面で国際基準を満たしているとは言えない状況です。
信仰の場である冨士山小御嶽神社は店舗の背後にあり、観光客に目立ちにくい配置になっています。店舗は、混雑することもあり、観光客のニーズに寄り添ったサービスが難しい状況です。結果的に観光客の満足度が下がり、少額しか消費しない「ゼロドルツーリズム」の問題が起きています。このままでは、富士山で働く人たちや麓の自治体の負担が増すばかりで、経済効果が見込めません。