てくてくvol.18
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 軽くて丈夫な鹿革は、古くから生活用品などに用いられ、戦国時代には武将たちの武具や鎧・兜などにも使われてきました。かつて全国に普及していた鹿革の加工品が、印伝として山梨の地場産業となったのは、江戸時代に甲府市の老舗「印傳屋」の遠祖・上原勇七が鹿革に漆で模様を付ける独自の技法を創案したことが始まりといわれています。印伝は、粋を競う江戸の町人たちの間で人気を博し、愛用品として広まっていきました。以来400年以上の歴史を刻み、昭和62(1987)年には国の伝統的工芸品「甲州印伝」に指定されています。そんな印伝の歴史は、進化の歴史でもあります。伝統を受け継ぐだけでなく、常に新しさを追求してきたからこそ、今も人々に愛され続けているのです。 「定番商品に加え、毎年新しい企画による商品を発売するほか、オリジナルブランドの創出や海外のラグジュアリーブランドとのコラボレーションにも取り組んでいます。西洋で漆は『japan』と表FEATURE伝統技法を守りながらも、新しさを追求「不易流行」の実現INDEN EST.1582 NY 束入A Rippieal白い更紗と黒漆で織りなす模様は「市松」から派生したデザインで、日本らしさとモダンな印象が共存し、人気が高い「印伝」の新しい挑戦伝統を受け継ぐよろいかぶと08

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