てくてくvol.16
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 自然と都市をつなげ、相互が循環できる社会をデザインする株式会社ランドノットでは、森林環境の保全と活用の仕組みづくりを目指し「アウトドア」「飲食」「ファッション・ライフスタイル」の3事業を展開しています。環境省の職員、山梨県の富士山レンジャーとして自然保護活動のキャリアを積んだ後、会社を立ち上げた尾又慶寛さんに食の観点から自然環境の大切さを発信するお店「アーバンズキャンプ」への思いを伺いました。 「私は自然保護の活動をする中で、生態系のバランスや、自然環境を見つめ直し、山の資源をどう活用していくべきか考えるようになりました。そして、その仕組みをつくるために会社を立ち上げ、事業の一つとして『アーバンズキャンプ』をオープンさせたのです。山梨は富士山、南アルプス、八ケ岳などの大きな山々に囲まれ、その恵みであるジビエなどおいしい食材が豊富です。ニホンジカの生息数が増大し続け、農産物などへの被害が深刻となる中、ニホンジカを天然資源と捉え食用として活用できるよう、山梨県には適切に衛生管理を行う食肉加工施設があります。しっかりとした品質を確保できる正規ルートを厳守することは、自然からの恵みを流通させていく仕組みを構築するためにもとても重要なことだと私は考えています」 「『街の中にキャンプの空間を』をコンセプトにしているので、店にはキャンプ気分を味わえるたき火ラウンジがあります。椅子も間伐材の丸太で作るなど、店内には山の素材を多く使っています。木材は傷んだらまきにして燃やし、活用しています。料理の素材は、ジビエに限らず、無農薬野菜、ワインやビールなども積極的に山梨県産のものを使い、調理法はジビエの文化が根付いているフレンチやイタリアンをベースに、オリジナルのスタイルを追求しています。食用として用いられるシカやイノシシなどは育った自然環境により味が変わるので、山が多く、自然の恵みがたくさんある山梨はおいしいジビエが手に入る環境といえるでしょう。ジビエに対する先入観を持たずに、店の雰囲気を楽しみながら、味わってほしいと思います」富士吉田市上吉田7-14-12TEL.0555-25-7531営業時間:10:00~22:00定休日:木曜日※営業時間、定休日は季節により 変動があります。アーバンズキャンプurban’s camp さ ん株式会社Land-knot 代表取締役社長尾又 慶寛おいしい山梨のジビエをキャンプ気分で楽しんで。豊かな自然の恵みを循環させるために街の中のキャンプ空間で山梨の自然が育んだ味を 12

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