てくてくvol.15
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 地元宮城県で花火師として活躍していた大杉しのぶさんは、平成23年の東日本大震災での被災が自分を見つめ直すきっかけになったといいます。「花火師としてさらに腕を磨き、成長していきたい」と意を決し、かねてより魅力を感じていた株式会社マルゴーに入社。真摯に花火作りに打ち込み、花火師として新たな世界を切り開いています。 「震災で私の実家も一部壊れましたが、まだ被害は少ない方でした。それでも強い揺れや、周辺の悲惨な状況を目にすると、一時は死を意識しました。震災の影響で花火を控える風潮となり、このまま花火師を続けてよいものかと悩みもしました。そして、今後の人生について考えるため、震災から半年が過ぎた9月にそれまでの勤め先を退社しました。その翌月、土浦全国花火競技大会を見に行った私の心に響いたのがマルゴーの花火でした。私は以前から、何度か競技大会で一緒になることがあったマルゴーのファンでしたが、その時あらためてその創造性や技術に感動し、この会社で花火作りを学んでみたいと強く思ったんです」 大杉さんはこの素直な思いを手紙にしたため、マルゴーに送りました。そして、大杉さんの熱意が通じ、平成24年3月からマルゴーの花火師として山梨で新たなスタートを切ったのです。しんし花火師の心意気を胸に、被災地から山梨へ。大杉しのぶ株式会社マルゴー 花火師さ ん移住先/市川三郷町14

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