山梨てくてくvol.14
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いたりして訪れていました。その数は年間5万人に上ったともいわれています。先代が湯治場から観光温泉旅館とするべく平成9年に全館をリニューアルして今日の慶雲館となりましたが、約1300年枯れることなく湧き続けた4本の自然湧出の源泉は受け継がれています。さらに、平成17年に旅館のすぐ隣を掘削し掘り当てた湯温52度、毎分1600㍑以上の自噴泉も加わり、加温・加水なしの源泉掛け流しになっています。『この湯を体が覚えている』とおっしゃるお客さまもいます。この源泉は自然の貴重な資源です。大切に守って次の時代につないでいくのも私どもの務めだと思っています。これからも歴史ある温泉旅館として、さりげない心遣いを大切にしながら、日本文化の素晴らしさをお客さまに感じ取っていただけるよう、心掛けてまいります」この貴重な自然の恵みを守っていくのも歴史ある温泉旅館としての務め『世界で最も古い歴史を持つ宿』としてギネス認定 「慶雲館の歴史は、慶雲2(705)年に藤原鎌足の長男である藤原真人が狩猟の途中に源泉を発見したことから始まります。真人が険しい山中に道を開き、湯つぼを造らせたことが西山温泉の起源とされ、以来、病に苦しむ人などが湯治に訪れるようになりました。天文年間には武田信玄も訪れたといわれ、天文15(1546)年正月には、武田家重臣の穴山梅雪から当館の守護神湯王大権現に『どら(銅鑼)』が奉納されました。武田家より寄贈されたこの品は、家宝として代々受け継がれています。さらには徳川家康も入湯したとの言い伝えもあるなど、慶雲館は多くの名将たちに愛されてきました。平成23年に『世界で最も古い歴史を持つ宿』としてギネスに認定されましたが、ただ古いだけではなく、このような深い歴史の足跡があったからこその認定であろうと思います」 「古くから湯治場としてにぎわった西山温泉郷は、農作業が終わった後の娯楽の場であった時代もあり、人々は町からトロッコに乗ったり、山道を歩西山温泉慶雲館 代表取締役社長53代目当主川野 健治郎さ んギネス認定書高温で湯量も豊富な源泉11

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