山梨てくてくvol.13
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訪れた皆さまに寄り添える美術館でありたい山梨県立美術館甲府市貢川1丁目4-27/TEL.055-228-3322山梨県立美術館井澤 英理子学芸幹 「当館がある芸術の森公園には随所に彫刻が配置され、『バルビゾンの庭』にはミレーと親友ルソーの記念碑もあります。また、園内にはバラ園や日本庭園、ボタン園、さらに文学館もあります。四季折々の美しい自然が迎えてくれる公園の散策を楽しみながら、本物の芸術に出会い親しんでいただけます。 開館から40年が経ち、この美術館と出会ったことで、人生を変えるようなことが何かあったらと思い、皆さまから美術館との関わりをつづったエッセーを募集しました。開館当日に一列目に並んでいた方は『山梨の文化の夜明けだ』と感想を述べられました。《種をまく人》は、自分の気持ちと重ね合わせて見る方が多い作品で、ある人は、仕事などいろいろなことに迷っている時にこの絵を見て『自分はこのままでいい、ありのままでいいんだ』と思ったそうです。絵画は見る時々でいろいろな思いを抱けるものですから、何度も繰り返し訪ねてほしいと思っています。開館40周年を記念して作った当館のキャッチコピー『種をまく 世界がひらく』には、それぞれの世界が開いていくという思いが込められています。 親に連れられて来た子が、友だちと来て、恋人と来て、結婚して子どもを連れて来て、いつか孫を連れて来る…。そんなふうに人生の節目節目に、かしこまらずに来てもらい、その時の自分の気持ちなども反映させながら見ていただきたいと思います。私たちもその時その時の皆さまに寄り添える美術館でありたいと考えています」バルビゾンの庭に設置された「ミレーとルソーの記念碑」は、フォンテーヌブローの森に設置されているものと同じブロンズ型から鋳造10

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