山梨てくてくvol.12
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「世界大会で金賞を受賞した時は、オリンピック選手の気持ちが分かるような気がしました。20周年を迎え、これからも伝統は大切に守りながらも、新たな挑戦をしていきたいです」と荒井さん左からピルス、ヴァイツェン、ラオホシュヴァルツヴァイツェンの4種類が定番 富士山の麓、標高1000㍍の緑溢れる大自然の中にあるブルワリー。今年創業20周年を迎えた富士桜高原麦酒で造られるクラフトビールは国内外のさまざまなコンクールで高い評価を受けてきました。ブルワリーに併設されているレストラン「シルバンズ」に醸造士の荒井竜彦さんを訪ね、ビール醸造にかける思いと、食とのマリアージュを楽しむポイントについて伺いました。 「当ブルワリーのビールは本場ドイツの醸造技術と設備、そして原料を用い、忠実にクラシックなおいしさを追求しています。長い歳月をかけて富士山から湧出する良質な天然水を生かしていることも特徴です。また、発酵タンクの上ぶたが開くオープンタンクを使っていることも国内では珍しいと思います。利点としては香りや色に影響する発酵の状態を直接見て確認できることです。さらに、小麦のビール『ヴァイツェン』に関しては一度使った酵母を回収して次の仕込みに使っています。酵母は環境によって変わっていくので、繰り返し使うことにより、このブルワリーならではの味と香りを生み出していくんです。ビールはものを言いませんが、造り手が感じ取ってあげることでビールとの対話が生まれます」 「オーソドックスなビール『ピルス』はどんな料理にも合わせやすいです。『ラオホ』はドイツ語で薫煙という意味があり、独特の香りと味わいがあるので、ローストした肉などによく合います。フルーティーな香りが魅力の『ヴァイツェン』はデザートにも合うんですよ。色の淡い白系のビールはさっぱりとした魚料理などに、濃い色のビールは濃厚なソースも受け止めますから肉料理にと、ワインと同じような感覚でマリアージュを楽しんでみてください。お客さまが楽しく飲んで、それを明日への活力にしてくれたら、造り手としてもうれしいです」富士山麓の雄大な自然の中で味わう世界が認めたクラフトビールと食のマリアージュ食とのマリアージュを楽しみながら味わうクラフトビール富士河口湖町船津字剣丸尾6663-1TEL.0555-83-2236営業時間:平日/11:30~15:00 17:30~22:00土日祝/11:30~22:00定休日:木曜日(春休み・ゴールデンウィーク・夏季・年末年始除く)レストラン「シルバンズ」富士桜高原麦酒 さ ん醸造士荒井 竜彦くんえんビールとの対話の日々。その積み重ねから極上のビールは生まれます12

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