山梨てくてくvol.10
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FEATURE日本に根付いた鹿革の加工技術は、やがて「印伝」という、一つのブランドとなった 鹿革は軽くて丈夫であり、素材として手に入りやすかったため、日本では古くからさまざまな実用品の製作に用いられてきました。中でも、奈良時代に燻べ技法で作られた文箱(国宝・東大寺蔵)はよく知られています。また、柔らかく体になじむ上、強度もあるので戦国時代には、武将たちの武具・鎧や兜などに広く用いられていました。このように鹿革の加工技術は長い歴史の流れの中で育まれていったのです。この鹿革の加工品が、いつ、どうして「印伝」と呼ばれるようになったの革羽織の多くは燻べ技法が施されている。写真は甲州財閥・若尾家に伝わる山市印燻革羽織[印傳博物館蔵]ふすよろいかぶと04

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