山梨てくてくvol.09
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自己の認証として用いる印章。中でも落款印は、芸術的要素を有している。用途はそれぞれであっても作り手が込める精神には通じるものがある。伝統ある印章の産地・六郷には、世界に誇る貴重な作品、歴史を物語る資料が数多く残されている。目を凝らし、心静かに向き合えば、名作が教えてくれる本物の気品が見えてくる。日本の篆刻界をけん引した重鎮・小林斗盦(こばやし とあん/1916~2007年)氏は、篆刻家では初となる文化勲章を受章。六郷の職人たちとの親交も深く、その縁から印章資料館には、斗盦氏の貴重な作品が多数展示されている。写真の落款印はその一部。19

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