国文祭公式記録ウェブブック
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007Yamanashi Kokubunsai前国民文化祭実行委員会会長前文化庁長官近 藤 誠 一国民文化祭実行委員会会長文化庁長官青 柳 正 規主催者挨拶(冬のステージオープニングイベント 開幕式典)主催者挨拶(総合フェスティバル 開会式典) 本日、「第28回国民文化祭・やまなし2013」の幕開けに大勢の皆様の御出席をいただき、主催者として大変嬉しく思います。 この国民文化祭は、国民の方々に一層、文化・芸術の持つ力を知っていただき、心豊かな生活を送っていただこうということで始めたイベントであります。 現在、我が国は、政治も経済もやや停滞気味で、なんとなく国民の元気がございません。しかし、こういうときにこそ、これまで伝えてきたすばらしい文化、自然観、人生観、宇宙観といったものをしっかりと守って、日本人らしい生き方とは何かということを問い直し、そして先人の積み重ねてきた努力、知恵をしっかりと自分のものにしつつ、後世に伝えていくことが、私たちの重要な役割であると考えます。 今年は、1月から11月までの通年開催と承知しております。あわせて、年間を通した試みとして、山梨県の誇る様々な食材や料理などが紹介されることも、魅力です。これまでは、秋を中心として10日間、あるいは、3ヶ月間というのが定番でしたが、今回のこの新しい試みが大成功に終わることを心から念ずるものであります。 今回のテーマは、「文化の風とあそぶ~みつめる・こえる・つなげる」です。この「あそぶ」という言葉を私は気に入っています。あそびの心を持って、初めて心にゆとりが生まれ、新しいアイディアが湧いてきます。文化とあそぶという心を持つということが、今の日本人にとって、きわめて重要であるということを考えれば、今回のテーマは、非常に時宜を得たものであると思います。 今回の「国民文化祭・やまなし2013」の御成功を心からお祈り申し上げ、御尽力をいただいている山梨県、開催市町村、文化団体の方々に敬意を表し、私の挨拶といたします。 本日、ここに「第28回国民文化祭・やまなし2013」秋の総合フェスティバル開会式が、盛大に開催されますことを皆様と共に大変喜ばしく思います。 国民文化祭は、国民の皆様が日ごろ行っている文化活動について、全国的な規模で発表、競演し、交流する場を作ることで、文化活動への参加意欲を高めるとともに、新しい文化の創造を促すことをねらいとした、国内最大の文化の祭典です。 本年の山梨大会は、昭和61年の第1回大会開催以来、初めて通年で開催されている国民文化祭ですが、厳かな雰囲気の中で、幕を開けた「冬のステージ」から、萌えたつ「春のステージ」、そして皇太子殿下の行啓を仰ぎ、富士山の世界遺産登録とも相まって、盛大に行われた「夏のステージ」を経て、いよいよ本大会の集大成となる「秋のステージ」を迎えました。 県内の各地では、11月10日の最終日までの間、数多くの事業が開催されます。「文化の風とあそぶ~みつめる・こえる・つなげる」というテーマのとおり、くだもののたわわな実りと秋風が通う山梨で、大会のフィナーレに向け、様々な事業に参加する中で、改めて文化のすばらしさを体験していただきたいと思います。 グローバル化が進展する昨今、国際社会においては、それぞれの国の文化が持つ存在感や普及力、浸透力ともいうべきものが、極めて重要になってきています。 とりわけ、2020年に東京オリンピック、パラリンピックの開催が決定した中で、日本文化の特質やあるがままの姿を、今まで以上に国民一人一人が認識するとともに、国際社会に向けてしっかりと発信していくことが重要になってきていると思います。 そのような観点から、本大会が、全国からお集まりになる皆様にとって、日本各地の様々な文化に触れ、あるいは文化の活動に参加することを通じて、日本文化の特質や共通性、長所などを等身大で捉え、認識を深めていただく絶好の機会となるとともに、世界に向けて発信していくまたとない機会となることを期待したいと思います。 結びに、長期にわたる会期の中で、様々な事業の準備や実施に格別の御尽力をいただきました山梨県、開催市町村、文化団体をはじめとする多くの関係者の皆様、さらに参加いただいた全ての皆様に深く感謝申し上げ、私の挨拶といたします。

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