国文祭公式記録ウェブブック
7/340

005Yamanashi Kokubunsai皇太子殿下おことば(夏のステージオープニングイベント 開会式典)皇太子殿下 第28回国民文化祭夏のステージのオープニングイベントに、皆さんと共に出席できることを大変うれしく思います。 山梨県は、首都圏の一角にありながらも、霊峰富士を始め、南アルプス、八ヶ岳、秩父連峰などの急峻な山々に囲まれ、六つの自然公園を有するなど、豊かな自然に恵まれており、その中で培われてきた伝統文化は、今なお県民生活に息づいています。 とりわけ、古くから日本人の心のよりどころとして大きな存在であった富士山は、富士講や修験道などの舞台となった「信仰の対象」として、また、数々の浮世絵を始めとした絵画のモチーフとなったことなど「芸術の源泉」として、世界に通じる文化を育んできたことが認められ、この度世界文化遺産として登録されました。 この富士山を仰ぎ見るここ山梨の地において、全国各都道府県、さらには海外からも、様々な文化活動に取り組まれている方々を迎え、国民文化祭が開催されることは、誠に喜ばしいことであります。特に今回は、国民文化祭として初めて通年で開催されると伺っており、関係者の皆さんが開催のために払われた努力に対し、心から敬意を表します。 東北の被災地では、多くの方々が今なお困難な状況にありますが、文化の持つ力を大いに発揮し、人々に勇気と明るさを与えるものとして、国民文化祭が大きな役割を果たすことを期待しています。 山梨県では、県内各地で広範な分野にわたる文化行事が開催され、地域固有の文化を守りつつ、その魅力を国内外の人々と共に楽しもうとする、多彩な取組が行われていると伺っています。 こうした取組を通じて、皆さんの間に、地域や世代を超えた幅広い交流の輪が広がり、人と人の絆や地域の連帯感が深まるとともに、地域の良き伝統を再発見し、個性豊かな文化を創造していく場として、「国民文化祭・やまなし2013」が大きな成功を収めることを願い、私の挨拶といたします。

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る