国文祭公式記録ウェブブック
276/340

秋のステージ-実りの感謝、次代へ。-274Yamanashi Kokubunsai 大月市笹子町に伝わる追分の人形芝居は、江戸時代に伝えられ地域の若者たちの楽しみとして引き継がれてきました。現在に至るまでに幾度かの存続の危機がありましたが、平成16年の市制50周年記念事業出演を機に有志が集まり、保存会の立て直しが図られました。現在山梨県内では唯一、江戸時代からの伝統を継承している団体です。 全国にはこのように伝統的な人形芝居に携わる団体が幾つもありますが、いずれも後継者の育成が大きな課題となっています。今後活動を継続していくためには、多くの方々に人形芝居を知っていただくことはもちろんですが、各地の団体が互いの特色を理解し、連携していくことが重要だと考え、人形芝居フェスティバルを開催しました。 準備段階で、本市の会場施設では1日に8演目を上演をするのは大変困難だと認識されましたが、八王子車人形の西川古柳先生のご指導をいただき、なんとか本番に漕ぎつけました。 当日は、両手遣い、一人遣い、三人遣いなど様々な様式の人形芝居演目が繰り広げられ、団体によって異なる様式の違いを十分にご理解いただけたのではないでしょうか。 全上演の終了後、大月市の追分人形保存会と次期の国民文化祭開催地である秋田県から参加した猿倉人形芝居保存会との間で、人形から人形へ引継書が渡されました。 当日、ホールの外では、人形師によるカシラ制作の実演や人形遣いの実演、出演各座の紹介展示、大月市の特産品の販売コーナーなども用意し、来場者に楽しんでいただきました。 今まで人形芝居に触れたことがない人にとっては、太夫さんの語りは聞き取りにくく、上演のあらすじも理解し難いと思われたことから、上演前の幕間に司会者と解説者、出演団体の代表者のトークを設定し、予め演目の内容を説明することとしましたが、観客の皆様から好評をいただきました。■ 開催趣旨・状況■ まとめ人形芝居フェスティバル《時を継ぐ》伝統を引き継ぐ人形芝居の祭典■ 開催日/平成25年10月27日(日)■ 開催場所/大月市民会館大月市伝統芸能

元のページ  ../index.html#276

このブックを見る