国文祭公式記録ウェブブック
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秋のステージ-実りの感謝、次代へ。-260Yamanashi Kokubunsai 釈迦堂遺跡博物館では毎年、収蔵する数多くの重要文化財指定縄文土器のうちから、公開・展示のために優品を選んで解体修理しています。今回の国民文化祭に際し、現在まで修理を完了している土器を主体に展示する特別展を企画展示室で開催しました。 展示した土器は、縄文中期の中部高地に盛行した立体的装飾を雄渾に施した曽利式、井戸尻式、藤内式が中心で、長野県・山梨県境に立地する八ヶ岳の周辺部から甲府盆地南に延びる御坂山地北裾にかけて濃密に分布・出土する土器群です。特に釈迦堂遺跡の代表的な土器「水煙文土器」は圧倒的な存在感を示していて、来館者に深い感銘を与えたようです。 特別展の期間中の来館者数は1,109名で1日当たり約55名でした。通常、この時期の来館者は20~30名ですので2倍近い増加を見たことになります。 土偶作りについては、10月毎日曜日と11月3日に実施し、総数53名が参加しました。作成した土偶は釈迦堂遺跡で出土した頭部で、愛らしい表情をもち、釈迦堂遺跡博物館のマスコットとなっている「どぐうちゃん」です。 当初、当博物館の収蔵品だけの企画展で集客できるのか、という不安がありました。収蔵品は中央自動車道の建設に伴う釈迦堂遺跡の発掘調査で出土したものからなり、新たに珍奇なものが増えるわけでもなく、魅力が大きく増幅されたわけでもありません。しかし工夫して周知の仕方や展示のやり方を変え、他の催事と組み合わせることによりある程度集客効果があることが分かりました。学術的価値だけに頼った単調な展示ではなく、色々な要素を組み合わせ、複合的な魅力づくりを行いアピールすることの重要性を強く感じました。 また、当館は中央自動車道釈迦堂サービスエリアから徒歩で直接アクセスできるため、そこからの来館者もいます。サービスエリアからの来館者の中には「前々から気になっていたいにしえの華–やまなしの縄文展縄文土器にこめられたメッセージ■ 開催日/平成25年10月19日(土)~11月10日(日)■ 開催場所/釈迦堂遺跡博物館■ 開催趣旨・状況■ まとめ笛吹市歴史文化

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