国文祭公式記録ウェブブック
230/340
夏のステージ-山河、きらめく。-228Yamanashi Kokubunsai 都留市は、中世より郡内地域の政治の中心として栄えてきました。江戸時代初期には秋元氏が谷やむら村藩主となり、この地域を治め養蚕を奨励したことにより、織物が盛んな土地となりました。 その後、明治時代になると織物産業は飛躍的に発達し、この地の織物は「甲かいき斐絹」と呼ばれるようになりました。 この展示では、もう一度「甲斐絹」に光を当て、その素晴らしさを全国に発信しました。 今回の「甲斐絹展」では、江戸期の「郡ぐんないじま内縞」、明治から昭和の「甲斐絹」、昭和以降の「甲州織」を第1章から3章に分けて展示をおこないました。 第1章では、文書史料を中心に「海かいき気」が海外貿易で日本にもたらされた経緯や秋元氏の織物奨励に関する展示をおこないました。また、「郡内縞」の流通や地域ごとの分業化などの江戸期の織物発展の様子や「郡内縞」が登場する井原西鶴などの文学作品も紹介しました。 第2章では、山梨県の初代県令藤村紫朗が「甲斐絹」の名をはじめて用いた布達文やウィーン万国博覧会に「甲斐絹」を出品した様子を展示しました。また「甲斐絹」が登場する夏目漱石などの文学作品も紹介しました。 第3章では、おもに市内で収集した絵甲斐絹の羽織や谷村と国中(甲府)を結ぶ絹織物の交易の道であった近ちがさかおうかんヶ坂往還について絵図などを用いて展示をおこないました。 展示のほかにも「甲斐絹」をテーマとした講演会や近ヶ坂往還のハイキングなどの関連イベントを開催し、展示と関連イベント参加者を含め、1,569名の皆様にご来場いただきました。内訳は入館者、1,187名、オープニングセレモニー参加者206名、講演会「甲斐絹の流通」43名、講演会「ヤマナシ織物産地と甲斐絹」60名、講演会「郡内縞と文学」43名、絹の道「近ヶ坂往還」を歩く30名です。ご来場・ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。甲斐絹展甲斐絹と歩んだ都留の歴史と文化■ 開催日/平成25年9月22日(日)~10月27日(日)■ 開催場所/ミュージアム都留都留市生活文化■ 開催趣旨・状況■ まとめ
元のページ
../index.html#230