国文祭公式記録ウェブブック
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夏のステージ-山河、きらめく。-192Yamanashi Kokubunsai 鵜飼と言えば皇室の保護のもとで行われている岐阜県長良川の御料鵜飼が有名ですが、江戸時代には、記録にあるだけでも全国150か所以上で鵜飼漁が行われていました。現在、鵜飼を行っているのは全国で12か所で、関東以北では笛吹川石和鵜飼だけとなっています。 今から約800年前、石和鵜飼の会場となっている石和町地域には甲斐国で唯一の御厨が置かれ、領内を流れる石和川(鵜飼川)では、神に奉納する魚介類を調達するために鵜飼が営まれてたと考えられています。 現在、実施している笛吹川石和鵜飼は、平安時代に行われていた伝統的な漁法を再現したもので、鵜使いが舟に乗らずに直接川に入って歩きながら鵜を操る「徒歩鵜」と呼ばれる全国でも珍しい鵜飼になります。 国民文化祭では、能『鵜飼』の舞台ともなった石和川の鵜飼を再現し、石和鵜飼の歴史と文化を全国に紹介することとしました。また、将来を担う世代に、鵜飼の歴史を学んでもらい、後世まで伝えてもらいたいという思いで開催しました。 石和鵜飼は、夏のステージとして、7月20日から8月18日までの水・木・土・日曜日及び8月19日の月曜日の19日間にわたり、夜8時から8時50分まで笛吹川鵜飼特設会場等で実施しました。 平安時代の鵜飼を再現する「徒歩鵜実演」では、腰蓑を着けた10人ほどの鵜匠が、松明の灯りで演出した鵜飼橋下流を鵜を操りながらゆっくりと歩いていく幻想的な雰囲気を再現しました。徒歩鵜実演の19日間の延べ観客数は17,900人になります。 また、8月3日(土)に実施した「夏休み親子鵜飼学習会」では、鵜飼山遠妙寺本堂で「いさわ鵜飼」と「甲州道中石和宿」の歴史を学んだ後、地元・市部まちづくり倶楽部の誘導で、鵜飼特設会場まで移動し、鵜の特性や鵜飼について学習しました。夏休み親子鵜飼学習会の参加者は延べ80人でした。 「夏休み親子鵜飼学習会」は、地元・鵜飼山遠妙寺住職、地元・まちづくり団体の意見により、地元の子供達に地域のいさわ鵜飼800年の伝統「いさわ鵜飼」■ 開催日/平成25年7月20日(土)~8月19日(月)■ 開催場所/笛吹市役所前笛吹川河川敷、鵜飼山遠妙寺笛吹市文化一般■ 開催趣旨・状況■ まとめ

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