国文祭公式記録ウェブブック
192/340

夏のステージ-山河、きらめく。-190Yamanashi Kokubunsai 春仙美術館は、南アルプス市小笠原出身の画家、名取春仙(1886~1960)の作品を収集展示しています。春仙は、日本画家として本格的な創作活動を行う一方、演劇界との結びつきも深く、役者絵版画も手がけ、明治以来沈滞していた浮世絵版画に新風を吹き込みました。その春仙にちなんで、全国からミニチュア版画(A4版以内)の作品を公募し、優れた作品を展示することにより、美術文化意識の向上と愛好者の交流を図り、また体験を通じて版画の創作愛好者を広げる契機となるよう開催しました。 公募した作品は4月17日の審査会において、入賞,入選作品が選出され、これら合計136点を春仙美術館へ展示しました。 開催初日に表彰式を、受賞者や主催関係者、美術館関係者、審査員、愛好家などの多くの方々の出席のもと盛大に行いました。式終了後には春仙美術館へ移動し、野点による抹茶やお饅頭も振る舞われ、受賞者同士また審査員等とも交流がなされ、なごやかな一時となりました。 期間中の14、20日には、世界を舞台に活躍する県内出身の版画家(河内成幸氏・齊藤武士氏)による版画の実演講座が行われ、来館者に版画に関する知識の普及を行うことができました。 また、最終日の28日には、毎年恒例の春仙美術館のお祭りも併せて行われたため、幅広い年代に版画の世界を知っていただく機会となりました。 全国から226点の作品を応募いただきましたが、作品レベルの高さに審査員一同驚きを隠せませんでした。どれも相当の実績を持ったすでに版画家といえる専門的な作品が多かったからです。そのような中、入賞12点、奨励賞12点、入選112点が決定しました。 美術館での展示ということで、作品はすべて一段がけとし、間隔も十分取られ、ライティングも贅沢に調整されるなど、企画展に準じた展示がなされ、入賞・入選者から喜びの声が多数寄せられました。 会期中の入館者は、県内外より1,100人を越え、版画愛好者をはじめ多くの方々に楽しんでいただくとともに、皆様の交流を深める絶好の場となりました。 この「南アルプスミニチュア版画展」の開催により、版画の魅力をより多くの方々に知っていただくことができ、また版画作品のレベル向上にも寄与できたのではないかと考えております。南アルプスミニチュア版画展自然と人間のふれ合い■ 開催日/平成25年7月13日(土)~7月28日(日)■ 開催場所/南アルプス市立春仙美術館美術南アルプス市■ 開催趣旨・状況■ まとめ

元のページ  ../index.html#192

このブックを見る