国文祭公式記録ウェブブック
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富士の国やまなし国文祭提案事業128Yamanashi Kokubunsai 清里・八ヶ岳南ろく開拓の父・ポール・ラッシュ博士の来清75周年とケンタッキー州マディソン郡との姉妹地域交流(1990年~)を記念して、米国ケンタッキー州で1959年以来続いている野外音楽劇「フォスター・ミュージカル」のメインキャストを招聘して、アメリカ音楽の父・スティーブン・フォスターの名曲の数々で構成された1時間のプログラムをポール・ラッシュ祭~八ヶ岳カンティフェア~2013において公演しました。 地域住民および八ヶ岳南ろくを継続的に訪問する人々を対象にしました。特に、北杜市は米国ケンタッキー州との姉妹交流を1990年以来継続しており、文化親善交流を進めていく促進剤となることと、また、ポール・ラッシュ博士はケンタッキー出身で、今後の地域づくりにおいて国際交流を核にしていくことをアピールしたかったのです。 ケンタッキーとの縁や交流の実績が背景にあったので出演・来日にかかる交渉は非常にスムーズに行えました。スタッフ・出演者ともにほぼボランティアベースでの招聘に応じてくれたことで、関連も含めた記念行事は、計画どおりに実施することができました。国際交流を前面に打ち出すことにより、祭典には、来賓として米国、韓国、中国、タンザニアの大使館から参加いただき、本事業との相乗効果もあって、今後の地域づくりの方向性・イメージを強くアピールすることができました。 75周年記念として、国際シンポジウム、八ヶ岳フォーラムも併せて開催され、当日は、新たな地域づくりのビジョンとして、ポール・ラッシュ博士の遺産継承と異文化国家間の交流を進めていこうという主旨の「八ヶ岳宣言」を発表。本事業は、75周年に華を添えたにとどまらず、極めてシンボリックなプログラムとなりました。文化庁、山梨県、山梨県教育委員会、ポール・ラッシュ祭 ~八ヶ岳カンティフェア~実行委員会、第28回国民文化祭山梨県実行委員会ポール・ラッシュ博士75周年記念祭フォスター・ミュージカルの招聘・公演■ 開催日/平成25年10月19日(土)、20日(日) ■ 開催場所/清泉寮前牧草地■ 開催趣旨・状況■ まとめ■ 主催■ プログラム・日本を代表する伝統芸能の一つ「能楽」を、特に小学生といった若い世代に理解してもらうため、県内在住の子供たちを対象に実際に能楽を体験、上演してもらうことにより、日本の伝統文化の素晴らしさと、それを継承することの大切さを体感してもらうことを目的として開催。・能の演目は既存の上演曲ではなく、全く新しい「創作能」を披露。その創作能の題材となるものは、県内に伝わる民話などを元に作成。山梨に残る新たな能楽として今後も継承されることが決定した。また、今回は北杜市高根町の小学校児童10名による「創作能」を同町の「八ヶ岳やまびこホール」にて上演披露。その後、指導に当たった県内出身の能楽師・佐久間二郎ほかプロの能楽師たちによる既存演目「安達原」も上演。来場者に「こども能」と「本式能」の二つを見せた。 今回の「創作能」披露に向け、プロ能楽師の指導のもと、出演児童は約4ヶ月間にわたり、放課後や夏休みを利用し懸命に稽古に励みました。その体験により、正しく『日本の伝統文化の素晴らしさと、それを継承することの大切さを体感してもらう』目的は達成できました。また、当日は330名近い来場者が訪れ、能楽に対する人々の関心の深さを実感することができました。他に今回のために書き下ろした創作能「杜の湧水」は、北杜市・八ヶ岳山麓の自然を題材とした作品で、これを地元の小学生が演じたという事実は全国を見てもほとんど例のない事業であり、国文祭の開催を控えている鹿児島の在住県民が、ぜひ模範にしたいと来県するなど、今回の事業が全国の人々にも「能」の新たな魅力・発展性を見事に提示したと言えます。①演目:『杜の湧水』  出演:高根西小学校児童10 〈源宥〉石野 佑輔〈従者〉小宮山碧波〈従者〉網倉 蓮〈山神〉古屋 里乃 〈天女〉石野 暖乃〈童女〉石井 愛理〈熊〉 高見澤早詠〈狼〉井出 奈桜 〈天女〉髙田 真広〈白き大蛇〉須賀しずく 地謡 佐久間二郎、桑田 貴志、谷本 健吾 / 笛 藤田 貴寛 /  小鼓 大山 容子 /大鼓 佃 良太郎 / 太鼓 林 雄一郎②演目:「安達原」 シテ・佐久間二郎 ワキ・野口能弘 他文化庁、山梨県、山梨県教育委員会、山梨県観世流謡曲同好会、佐久間二郎、第28回国民文化祭山梨県実行委員会甲斐の国 こども能楽公演■ 開催日/平成25年10月20日(日) ■ 開催場所/八ヶ岳やまびこホール■ 開催趣旨・状況■ まとめ■ 主催■ プログラム

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