FUREAI_MONTHLY_Vol05
2/4

1.41.21.00.80.60.40.20目されたのです。山梨県はなぜ、この      ん  お米を推しているのか──。答えのカギは、猛暑。お米といえば、コシヒカリが有名ですが、実は暑さには強くありません。県内の気温が高い地域ではコシヒカリを栽培しても、お米の品質を保つことが年々難しくなってきています。その点、国の研究機関が開発したにじのきらめきは、猛暑に負けないお米。甲府盆地の田んぼで育てるにはぴったりの品種なのです。にじのきらめきはコシヒカリよりも20㎝ほど稈か(稲の茎)が短いので、倒れにくいのも特徴です。稲が倒れてしまうと、起こしてから刈り取りを行わなければいけないため、農家の負担やお米の品質低下につながります。そのためコシヒカリは大きく育ちすぎないよう、少ない肥料で育てます。にじのきらめきは実が多くついても倒れにくいので、肥料を多く与えることができ、気温が高い地域ではコシヒカリよりも収穫量がす。いいことずくめのお米なのです。大都会での稲刈り体験。はざ掛けや脱穀も体験して、みんな楽しそう=9月27日〝にじきら〟はこんなにおいしい猛暑にもコシヒカリにも負けないにじきらという救世主9月末、たわわに実った稲穂が一面に広がっていたのは、東京・六本木ヒルズの屋上庭園。毎年行われる稲作イベントに、山梨県のお米が初めて選ばれました。稲刈り体験をする子どもも楽しそうです。この企画、「山梨県とコラボしたい」という六本木ヒルズ担当者からの電話で始まりました。そう、山梨県イチオシの「にじのきらめき」が注とはいえ、気になるのは味ですよね。おいしいの?と思った方、左上のグラフを見てください。農林水産省のホームページに公表されているもので、香り、粘りなどがコシヒカリを上回り、総合評価でも超えています。ここで登場いただくのが〝にじきら〟の愛称を考案した江﨑新太郎シェフです。「ミシュランガイド東京」で7年連続(2010〜2016年)三つ星を獲得した江﨑さんは、以前から〝にじきら〟を高く評価していました。今年9月には、にじのきらめきを広くPRする県の『やまなし「にじきら」アンバサダー』に就任しています。江﨑さんは〝にじきら〟の魅力について、「粒が大きくて、もちもちとした食感とうま味があります。いろいろなお米と食べ比べをしましたが、僕は〝にじきら〟が好きなんです」と話します。山梨県はもともと日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きい、米栽培に適した地域です。そこに加わるのが水。南アルプスと八ケ岳連峰から流れるミネラルを含んだ水が、一層おいしいお米にしてくれると江﨑さんは言います。2024年における県内の米の作付面積は4590ヘクタール。6割がコシヒカリですが、〝にじきら〟は急拡大中です。2023年の7ヘクタールが24年は35ヘクタール、25年は70ヘクタールになりました。県食糧花き水産課の石井利幸課長補佐も、「農家のみなさんから『うちでも作りたい』といった問い合わせが増えています」と人気の高まりを実感している様子。ここまで読んで「食べたい」と思った方、多いと思います。収穫量がまだ多くないのでスーパーには並ばないかもしれません。今年はJA梨北の直売所とオンラインショップ「マルシェ梨北」で販売されています。価格は5㎏が4230円、10㎏が8460円※とコシヒカリと比べてお手頃です。三つ星シェフ太鼓判のお米で、県もブランド化を進めているのでお得に入手できるのは今だけかも?山梨県の農業に幸福をもたらすにじのきらめき。ぜひ手にとって、口福を感じてください。「にじのきらめき」の食味農林水産省ホームページから※玄米での販売価格です。JA梨北直売所の「よってけし韮崎店」と「よってけし響が丘店」では無料精米サービスを利用できます。白米の販売価格は5㎏4700円、10㎏9400円(「よってけし八ヶ岳店」とオンラインショップのみ)。やまなし「にじきら」アンバサダーに就任した江﨑新太郎シェフと長崎知事=9月16日Vol.52025NOV10%以上多くなる研究結果がありま

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る