fureai.vol89
11/24

んん神し饌せ献立ふれあい 富士山信仰の聖地として栄え、最盛期には御師が140ほどにも上ったと伝わる富士河口湖町・河口地区。その歴史は、江戸時代に隆盛した富士吉田とは異なり、平安末期にまでさかのぼるといわれますが、時代の波にのまれ、衰退の一途をたどりました。 しかし、たまたま手に取った一冊の「河口湖町誌」をきっかけに、地元に眠る歴史の掘り起こしと復興に立ち上がった人物がいます。御師の末まつ裔えい・外川真介さん。同町で飲食店「峠の茶屋」を営んでいます。2012年には活動の一環として、かつて富士山を詣でる者たちに振る舞われた「御師※イラスト左上から反時計回りに料理」の再現に挑みました。 江戸時代の文献や古文書を手がかりによみがえった朝夕の膳。それは「神饌献立」と呼ばれ、神に供えるのと同じ料理を食べて身を清めるという、登拝前の儀礼の一種でした。 朝の膳は、雑煮や河口の伝統料理「めまき」(サバの煮染め)、ナスの煮びたしやかんぴょうを盛った「平」、タデやミョウガの「重詰め」など計6品。夕の膳は吸い物にアユの土佐煮、コイの刺身、イワタケやレンコンの煮物など計7品をそろえました。再現された御師料理は、河口浅間神社の例大祭にも提供されました。 薄れゆく御師の文化を、「食」を通して現代につなぎとめる試み。外川さんは「河口の伝統や文化に、興味を持つきっかけになれば」と語ります。再現された膳は、全国から集った道者をもてなした御師の心を、この時代に橋渡ししています。[問い合わせ先]富士山観光振興グループ TEL 055-223-1316 FAX 055-223-143811vol.892026 SUMMERレンコン、青葉、マツタケ汁、ニンジン、松の実ナスの煮浸し、かんぴょう甘酒(本来はどぶろく)雑煮 赤飯平 御酒 煮染め サバのめまき重詰め シロウリ、ミョウガ、タデ食べて身を清める古の御師料理

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る