高騰や国際情勢の変化によって、農家の経営は常に不安定な状況に置かれてきました。その解決策の一つが、この水素暖房機なのです。水素を燃やすと、出てくるのは水(水蒸気)だけ。CO₂は一切排出しません。従来の重油暖房機と水素暖房機って、どんな仕組み?これまで、農業用ハウスの暖房には主に重油などの化石燃料が使われてきました。しかし原油価格の点火の時が来ました。知事の手元には、ハウス内の暖房機を遠隔操作できるタブレット端末があります。知事がボタンに触れると、暖房機が静かに作動を始めました。県の担当者は「本日より、この革新的な実証試験を開始いたします。農業分野におけるグリーン水素の利活用をリーディングケースとして、広く現場に普及させていきたいと考えております」と意欲を示しました。水素暖房機の隣には、肩ほどの高さがある円筒形の容器が30本、横向きに並んでいます。これが「カードル容器」と呼ばれる水素ボンベの集合体です。中には、米倉山で製造されたグリーン水素が、高圧で充填てされています。ボンベから出る水素は、配管で一本に集約され、減圧装置で圧力を下げてから暖房機へ送られます。そして暖房機の中で水素を燃やし、その熱でハウス内を暖めます。水素は燃えやすい気体です。そのため、安全対策が二重、三重に施されています。開発に携わった株式会社桂精機製作所の技術担当者は、次のように説明します。「水素で最も懸念されるのは『逆火』という現象です。配管内に空気が混入した際、着火した火が配管内を逆流し、破裂音を伴って燃焼してしまう。これをいかに防ぐかが重要でした」その答えが「窒素パージ」です。窒素という燃えない気体を使っじゅうて、暖房機の着火時と消火時に配管内の空気を追い出します。さらに、配管の途中には物理的な「逆火防止器」も設置されています。窒素による制御と、物理的な遮断。この二重の対策によって、安全性を確保しています。横浜市に本社を置く桂精機製作所は、北杜市須玉町に主力工場を持っています。1966年の創業以来、LPガス供給機器の開発で培った技術を持ち、2014年からは水素の活用に取り組んできました。今回の水素暖房機は、その技術の集大成とも言えます。タブレット端末等で遠隔操作で ん 3きるシステムが採用され、ハウス内の温度設定に合わせて自動で運転と停止を繰り返します。夜間は、あらかじめ設定した温度から下がると、自動で点火します。は、そこが決定的に違います。無臭で環境に優しい暖房機ですふれあい水素のスイチョ©YAMANASHI / nakanogumi※2月26日時点の情報を基に作成しています(今号の全て)vol.882026 SPRING
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