fureai.vol85
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大切な兄の存在障害を特別なものにしない社会にAKAKEYUMA懸命に志す県民インタビュー未来を I  ■■大学卒業後、教師になるが1年でIT企業に転職。海外で新規事業の立ち上げにも携わった。障害者就労支援事業所を運営している。未来に向け、懸命に生きる県民を紹介する連載・山梨懸人。障害を特別なものにせず、「誰もがそこに居ていい社会」をビジョンに掲げる。障害者支援に自然体で向き合う男性の半生の物語。[連載]K■EIPE株式会社代表取締役赤池侑馬ある日、家出したはずの3歳上当時、小学生だった赤池侑馬さんは、笑顔で兄を迎え入れた。「中学生だった兄は、酒にタバコ、ケンカと、大人たちから見ると非行少年でした。でも、僕の視点は違っていた。兄は頭もよかったし、運動もできた。何より、本当はすごくピュアな心を持っていた」そんな兄が、バイクで事故を起こした。およそ2週間、意識が戻らない日が続いた。ようやく目を覚ました兄には、障害が残った。「それからは、家族がぐちゃぐちゃになりましたね」た。赤池さんは、以前に兄が漏らした言葉を思い出した。「侑馬みたいな先生がいたらよかったのに」 障害者就労支援は、障害や病気のために一般企業や事業所での就労が困難な人々を対象とした支援。一般的に、「就労継続支援A型・B型」と呼ばれる。A型は事業所と雇用契約を結んだ上で働き、B型は雇用契約を結ばず、障害や体調にあわせて自分のペースで働きながら、就労に必要なスキルなどを習得する。2018結核を発症し、1年間の療養生活。退院後、「KEIPEを主軸に活動していこう」と誓う1990中巨摩郡昭和町生まれ2013千葉大学教育学部卒業後、教師に2014ベンチャー企業に転職2017KEIPE株式会社を創業20代を疾走した男性が、ふるさと山梨に戻り、16年近く、兄の療養生活は続いKEIPEは「万物を成長させるめぐみの風」という意味を持つ「恵風(ケイフウ)」から名付けたの兄がこっそり自宅に帰ってきた。プライベートは、妻と2男1女の5人家族。サウナや焚き火を愛するアウトドア派だ18

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