ふれあいvol.84
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教員不足をどう解決するか小規模校にも充実の支援策一方で、少人数教育を推進するに当たって課題となるのが、いま、全国的にも深刻な教員の不足です。かねてより、山梨県内の公立小学校に教諭として一定期間勤務することを条件に、日本学生⽀援機構の奨学⾦の返還⾦の一部を県が補助する制度を実施しています。また、教員を目指す人に山梨県の少人数教育を知ってもらうため、定期的にフォーラムを開催しています。新企画の魅力発信動画については、右下の記事をご覧ください。少人数教育に関する発信を積極的に続けてきたことで、県外で教員免許をお持ちの方からの問い合わせも増加しています。それでも教員が不足する間は、1クラスの定員を国の基準を上回る少人数教育にしたり、クラスを増やさずに教員を追加配置する「アクティブクラス」を採用したりしながら、柔軟に運用していきます。少人数教育の拡充にかかる教員の人件費については、積立⾦のほか、県企業局の経営努力により増加が見込まれる電気事業会計の収益から2025年度には7・5億円を増額して繰り入れることによって必要な財源を確保します。現時点で1学年25人に満たない小規模校については、県の教育課題や地域の強みを生かした事業など、特色のある教育活動に補助⾦を⽀給することで、教育の充実を図っています。具体的には、①自立学習者の育成を目指す「自由進度学習」②多様な言語や文化にふれる「外国語教育」③地域の課題解決能力を育む「探究型教育」④体験を通じて自己肯定感を高める「山村留学・郷土愛」という四つのメニューを用意=右の表を参照。2024年度には、県内五つの町村が本事業に参加しました。例えば外国語教育に取り組む南部町では、町内の3校が合同で、同じ学年が一斉に授業を受ける「N授業」を実施。英語をコミュニケーションのツールとして、対話や交流を楽しみながら体験できる授業を展開しました。小学校6年間を通じて外国語を活用する教育課程を編成したり、学校生活の中で異文化にふれることのできる場を用意したりします。グローバルな視点を持ち、他者を尊重する心を育めるように、ICTを用いた外国・他地域との交流活動も支援しています。あらかじめ定めた「学習計画表」に基づいて、ICTを活用しながら子どもたちが自分のペースで学ぶ活動を支援します。道志村や鳴沢村では、大学教授の指導や助言のもと、子どもたちが自ら問いを発見し、解決の方法を見出す「学習者を主体とした授業」の試行・研究を推進しています。地域に根付く自然・歴史・文化を活用し、子どもたちが直接見たり、触れたりする体験を大切にした学習活動です。地域の課題を解決する能力を育み、持続可能な社会の作り手の育成を目指します。小菅村では、近隣の山林で暮らす野生動物を調査し、生態系を考察する学習を行っています。[問い合わせ先]義務教育課 TEL 055-223-1755 FAX 055-223-1759      2  1435外国語教育自由進度学習探究型教育山村留学・郷土愛地域や山村留学生との交流を通して、思いやりの心と郷土愛を併せ持つ子どもを育む教育です。丹波山村では、保育園・小学校・中学校が連携して特産品のみそづくりや伝統芸能に山村留学生と共に取り組み、郷土愛を育んでいます。

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