ふれあいvol.83
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懸命に志す県民インタビュー未来を人は、いつもきっかけを探しているのかもしれない。未来に向け懸命に生きる県民を紹介する連載・山梨懸人の3回目の舞台は、サッカースタジアム。そこには、山梨県の不登校問題の解消を目指す女性がいる。なぜ、この場所なのか。彼女の取り組みから、社会問題解決のヒントが見えてくる。[連載]株式会社ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブ井尻真理子物語は、1本の電話から始まる。「井尻さんのところで、どうか、面倒を見てくれないか」︱︱。母校・山梨英和中・高校の恩師からだった。Jリーグに所属するチーム・ヴァンフォーレ甲府(以下、ヴァンフォーレ)の営業を担う井尻真理子さん(50)は当時を振り返る。「突然でした。聞けば、いじめられた過去があり、家に閉じこもっている女性がいる。その人はサッカーが大好きだから、ヴァンフォーレで社会とつながる活動をさせてあげられないかというお話でした」そして紹介されたのが、白鳥恵美さんだった。白鳥さんには、早速チラシの封入作業や、試合前の準備などを手伝ってもらった。すると、日を追うごとに白鳥さんが元気になっていくのが分かった。その頃の気持ちを、白鳥さんはこう話す。ある女性との出会いサッカースタジアムをみんなの居場所に 山梨県は、2024年度から女性管理職の創出を目指す事業「やまなし女性Miraiクエスト」をスタート。同事業には、18人の女性管理職候補者が参加している。数カ月にわたる研修で管理職の役割や、プロジェクト推進のノウハウを学ぶのと連動して、社内プロジェクトを立ち上げて実践する。参加者同士が互いに刺激し合いながら、それぞれが目指す女性管理職像に向けて奔走中。ヴァンフォーレの事務所には戦歴の数々の思い出の品が飾られていた不登校の子たちの居場所づくりに奮闘する井尻さん    18「やまなし女性Miraiクエスト」で不登校支援の事業化検討を開始。甲府市生まれ早稲田大学卒業。その後、出版社、編集プロダクション、広告代理店で勤務ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブに入社不登校の子たちへの支援を始める

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