山梨県がつくった水素は、産業界から注目され、多くの企業が実際に使い始めようとしています。海外からも「やまなしの水素」に注目が集まっています。需要が高まって使う量が増えれば、水素エネルギーの製造コストは安くなっていきます。「水素を使う暮らしが当たり前」の時代がまず、山梨県から始まろうとしています。企業が工場などで水素を使う例はでは、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか──。 県は2025年度から、農業用ハウスで使う「水素加温機」を開発するため、実証実験を始める予定です。JAや農家が太陽光で発電した電力を使って、米倉山の電力貯蔵技術研究サイトで「グリーン水素」※を生産。この水素を燃料にして農業用ハウスを温めるというチャレンジです。 農業用ハウスの加温機は重油を燃料にするのが一般的ですが、燃料をグリーン水素に置き換えることで、コスト削減を実現するための仕組みづくりを進めていきます。 県は他にも、集荷などに使う軽トラックや農作業に使う農機の電動化の検証もしています。 地球環境にとって良い商品を積極的に選ぶ「エシカル消費」が広がる中、カーボンフリーは〝選ばれる商品〟の有力な条件になります。農家にとっては、ブドウやモモなどの作物を「カーボンフリー・フルーツ」として付加価値を高めて売ることで、収益増につながります。水素であなたの暮らしが変わる着実に増えつつあります。 また、近い将来には、水素バスや水素トラックが街を走るのは日常風景になっていることでしょう。 2030年代には、家庭でも水素を使うようになる可能性があります。 いま検討されているのは、各家庭につながっている都市ガスの配管に水素を混ぜる方法です。徐々に水素の割合を増やして、いずれは水素が家のエネルギー源の一つになっていくというアイデアです。こうすれば、新たに水素管を地下に埋設するというインフラ工事が要りません。 水素を使った暮らしは、そう遠い先の夢物語ではないのかもしれません。※グリーン水素 再生可能エネルギーを使い、製造過程でCO2を一切出さずにつくられた水素のこと。究極のクリーンエネルギーといわれています。[問い合わせ先](カーボンフリー農業)農業技術課 TEL 055-223-1616 FAX 055-223-1622県産のグリーン水素先進拠点となっている米倉山の施設TOPICS10水素を使った暮らしは遠い先の〝夢物語〟ではない?!11
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