ふれあいvol82
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農家の高齢化や後継者不足などの課題解決につなげようと、山梨県は、県内での就農を希望する方向けに農業の魅力を体感してもらうバスツアーを始めました。現場を訪れて先輩農家と話し、作物を育てる喜びや難しさ、農業の始め方や就農後の生活について知ることができます。他にも農業を知る・体験できる機会を設けています。今回は7月28日に開催したバスツアーの様子をお伝えします。[巻頭特集]おいしい農果樹と野菜の生産地を巡るバスツアーに密着農業をはじめようツアー16人のうち12人は県外から参加。20代の夫婦や50~60代の1人参加な     業8ど幅広い年齢層です。「農業は初めて」という人はもちろん、すでに経験者で「他の作物にも興味がある」という人もいます。道中は配布されたパンフレットを読んだり、お互いに情報交換したりしながら目的地に向かいます。見学先の農園を経営する株式会社斎庵は、モモなどの果樹園を約6・7ha、イチゴ畑を0・3ha作付けしています。専務取締役の五味隆さんが実際にモモの栽培方法などを説明した後、質問タイムになりました。「モモの年間管理スケジュールは?」という疑問を皮切りに、「どんな人が独立できるのか」「獣害対策や病気対策は何をしているか」「閑散期の収入について」など、真剣な質疑応答が45分間続きます。五味さんが「収穫時期は、毎日が猛暑との闘いです」と言うと、参加者から「年齢的に体力に自信がない」と不安の声が上がりました。そう不安をもらした女性は50代。子育てが一段落して、“第二の人生で農業をやりたい”と東京からやってきたそうです。「自分のできる範囲でも大丈夫。うちの会社では60代で就農した人もいます」その答えに、周りの参加者たちも胸をなで下ろします。「ねじらず、指で押さえず、手のひらで包み込むようにもいでください」とアドバイスを受け、いざやってみると――。A M 9 :3 0 甲府駅北口からバスが出発A M 10 :1 5  AM 11 :0 0 モモの収穫体験笛吹市境川町にあるモモ農園に到着ルポ

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