ふれあいvol82
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ると、摘粒するべき粒とその数が示され、誰でも簡単に房の形を整えることができる仕組みです。を基に、「この粒を摘みなさい」という指示をスマートグラスに送り返します。これによって、熟練者と同じように作業を進めることができます。スマートグラスを使った高校生が「匠の技」を体験!最先端農業「匠の技」を伝えるツールに北杜高校の果樹圃ほ場に集まったのは、10人の総合学科3年生です。代わるがわる、スマートグラス(メガネ型コンピューター)をかけて、生育中のシャインマスカットを眺めています。グラス越しに房を見体験した生徒は、「こんなことが本当にできるんだと驚きました。AI技術を活用した取り組みが、他にもできそうだと想像が広がります」と話していました。山梨県では2020(令和2)年度から、産官学連携による「スマート農業実証プロジェクト(5G)」が行われています。この取り組みの中で、山梨県果樹試験場の研究員がシャインマスカットを摘粒する様子を「匠の技」としてAI学習させ、それを基に、作業をサポートする技術が県内の企業や大学によって開発されました。スマートグラスのカメラで読み込んだ作業者目線の画像データは、いったん山梨大学の研究室のサーバーで情報処理されます。するとAIが学習済みの「匠の技」ブドウの房の形を整える摘粒などの作業には、長年の経験で培った「匠の技」が必要とされます。しかし、この技術の継承は簡単ではなく、AI技術が大いに役立ちます。スマートグラスは価格も高く、暑さや雨に弱いため生産現場に普及させることにはハードルがありますが、今後の改良により、新規就農者らに「匠の技」を継承するツールとしての活用が期待されています。県の担当者は、今回の体験授業について「想像以上の反応でした。『農業には夢がある』と感じてもらい、自分も将来携わりたいと思ってほしい」と手応えを語っています。進化を続ける技術開発に、これからも目が離せません。    7    [問い合わせ先]農業技術課 TEL 055-223-1616 FAX 055-223-1622最先端技術を体験する北杜高校の生徒スマートグラスを通じて摘粒の指示が出る(山梨大学茅暁陽理事の研究グループ提供)YAMANASHI 摘粒してFuture AgTech Future AgTech

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