“きれいな鏡”に映る自分の姿を見つめて国籍に関係なく誰もが学べる社会にしたくて懸命に志す県民インタビュー未来を全国的に教員が足りない。そんな中で、65歳を過ぎてなお教壇に立つ教師がいる。未来に向け懸命に生きる県民を紹介する、連載・山梨懸人の2回目は、その男性のストーリー。彼が外国籍の子どもたちに日本語と教科を教える背景を探ると、山梨のミライが見えてくる。[連載]外国ルーツの子に日本語と教科を教える澤登一浩南アルプス市立落合小学校の教室で、澤登一浩さん(66)はペルー人の小4児童とクロスワードパズルをしていた。「そうめんより太くて、うどんより細い麺は?」「え、知らない……」「パソコンで調べてみようか」(カチカチとパソコン操作をする音)「ひ、や、む、ぎ?」「そう、正解!」長年小学校の教諭 だった澤登さんは、南アルプス市内の外国籍児童15人に日本語を教えている。落合小だけでなく市内6校を巡回して授業をする。同市内の外国人向け日本語教育は教員2人でカバーしているため、澤登さんの時間割に空き時間はほとんどない。「外国籍の子どもは、紙ベースの教材ではふりがながないので学び山梨県は2021年度、全国初の「小学校25人学級」を始めた。24年度には小学4年まで拡大した。少人数学級にすればクラスが増えて教員数も必要になる。全国的な教員不足の中、県教委は定年を迎えた65歳未満の教諭を再任用したり、教員免許を持つ人を任期付教員として受け入れたりして人材確保を図っている。外国人労働者の増加に伴い、日本語教育の重要性も高まっている。教室内には分かりやすい日本語の例文が掲げられていた「日本語教室」の授業が終わり、笑顔の澤登先生と児童18再任用。2024からは任期付教職員として南アルプス市立落合小学校などで外国籍の子どもに日本語と教科を教える南アルプス市生まれ大学卒業後、小学校教諭に南アルプス市立若草小学校の校長(2019退職まで)
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