ふれあいvol82
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特集2人口減少に立ち向かう皆さんは、山梨県庁の男性職員の育児休業取得率をご存じですか?2021(令和3)年度は14・8%と、全国平均の40・7%を大きく下回っていました。ところが、2023年8月以降はいったい何が起きたのでしょうか。男性育休を「当たり前」にするなぜ「3カ月」?「人口減少危機突破宣言」(20 2 3年6月9日)に続いて、長崎幸太郎知事は同年7月、男性職員の育休取得率向上を目指す取り組みを発表しました。その柱となるのが、「3カ月の育休取得原則化」。“育休革命”ともいえる新たな取り組みのスタートでした。男性職員が配偶者の出産に伴い、有給休暇、時短勤務、テレワークを組み合わせ、最低3カ月間、在宅で育児に関わることを目指すという全国でも類を見ない取り組みです。これまで男性職員からは「職場に迷惑をかける」「業務が繁忙」といった理由で、育休取得をためらう声が聞かれました。しかし、育児は夫婦で分担すべきことです。人生の最も貴重な時期に休めないのは、職員個人の責任ではなく、職員の意識や行動に大きな影響を与える組織の問題だと山梨県は考えています。育休を取得しやすい環境づくりのために、山梨県は人事上の仕組みを導入しました=下図参照。男性職員は出産予定日の3カ月前までに、所属長と面談し、「イクメン」になるための計画を練ります。原則として、育休や在宅勤務をフレキシブルに組み合わせて最低3カ月間在宅で育児に携わるようにするのです。育休を取れば収入は減りますが、県が用意した収入シミュレーションシートなどを活用しながら、家計の実情に見合ったプランを作成します。職場では、上司らが男性職員に安心して育休を取ってもらえるよう、きめ細かなサポートを行います。管理職に昇任した職員については、毎年度マネジメント研修の受講を義務付け、管理職の意識改革にも積極的に取り組むことになりました。ところで育休期間が3カ月なのは、なぜでしょうか。それは1カ月では「育児の大変さ」しか実感できず、2カ月では「少し育児のことが分かってくる」段階に過ぎないからです。3カ月間、育児にじっくりと向き合うことで、初めて「育児の楽しさ」を実感できるようになり、夫婦の絆、そして家族の絆がより一層深まると考えました。こうした取り組みの結果、昨夏     0  123以降の男性職員の育休取得率は91・5%にまで上昇。2024年度は100%を目指します。山梨県はこの取り組みが県内の市町村や企業にも広がり、地域全体での少子化対策や働き方改革が進むことを期待しています。山梨の未来のために、男性が育休を取得しやすい環境を地域全体で協力してつくっていきましょう。※2023年度の育休取得率(2024年5月末時点での取得予定を含む)業務応援を行った同僚職員に手当を加算業務応援により増加した業務に対して別枠配分詳しく知りたい方はこちらから91%※に達しています。10.813.420育休取得率(%)201932.914.810080604020212223(年度)15TOPICS育児休業+休暇を1カ月以上取得した職員の上司・同僚に対するインセンティブ管理職等のマネジメントを評価し、人事評価において加点人事評価で加点勤勉手当を加算時間外勤務目標時間を追加配分91.5※男性職員の育休取得率(山梨県庁知事部局)目指せ男性育休100%

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