ふれあいvol71
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工場内のCO2フリー化燃料電池自動車の普及る産業に育てるとともに、甲府盆地から静岡県東部の医療産業集積地「ファルマバレー」までを結ぶ一帯に医療機器関連産業を集積する「メディカル・デバイス・コリドー構想」の実現を目指しています。 実現に向けて令和元年12月に静岡県と連携協定を締結、令和2年3月には「メディカル・デバイス・コリドー推進計画」を策定し、この計画に基づき6月に専門支援機関「メディカル・デバイス・コリドー推進センター」を甲府市に開設しました。センターでは、医療機器に精通した専門職員が研究開発に加え、部品・材料供給による参入支援を積極的に展開した結果、新規契約や受注増加に結び付くなど成果が着実に上がっています。この取り組みに関連し、昨年3月に静岡県のふじのくに先端医療総合特区に甲府市や富士吉田市などの山梨県内7市町が加わることが国から認められました。加入の効果を最大限に発揮するため、両県の関連機関が一体となって広域的な支援を行っています。 今後もセンターを核とした地域企業の支援、医学部を擁する山梨大学と連携した専門人材の育成、意欲のあるスタートアップ企業の育成を図るなど、構想の実現に向けて取り組んでいきます。 県では民間企業と共同して、太陽光発電などの再生可能エネルギーの電力と水からグリーン水素を製造甲府盆地から静岡県東部に医療関連産業が集積構想実現には各分野の連携の推進が必要する、パワー・ツー・ガス(P2G)システムの開発に取り組んでいます。 グリーン水素は、P2Gシステムによって水を電気分解して造られ、燃やしても二酸化炭素を排出しないことから、脱炭素社会の実現に向けた究極のエネルギーとして注目を集めています。 昨年6月からは、甲府市の米倉山で製造したグリーン水素を、県内の工場やスーパーマーケットでCO2フリーの蒸気や電気として利用する社会実証を、全国に先駆けて開始しています。また、国のグリーンイノベーション基金事業第1号案件として、P2Gシステムの大容量化の研究を進めたり、日本初のP2G事業会社を東京電力ホールディングス、東レと共同で設立したりするなど、P2Gシステムとグリーン水素の利用拡大に向けた事業に取り組んでいます。 今後は、国内の化石燃料の消費量が大きい工場などへのP2Gシステム導入を進めるとともに、年間を通して太陽光が降り注ぎ、広大な砂漠がある中東諸国などの再生可能エネルギー資源国においても、こうした仕組みの幅広い展開を目指しています。 本県が培ってきた技術開発の成果を生かし、P2Gシステムの国内外への展開や、新たな水素エネルギー産業の創出を目指していきます。脱炭素化に向け新たなグリーン水素製造システムを山梨から世界へ発信メディカル・デバイス・コリドー構想医療・介護、福祉医師会、民間病院協会、官公立病院等協議会との連携など教育・研究オープンイノベーションによる共同研究の活性化など産 業大手医療機器メーカーの集積、高度な技術の横展開など「山梨」の技術を駆使したグリーン水素を製造日本へ逆輸入中東の砂漠などに太陽光パネルを設置し発電大容量P2Gシステムを「山梨」から中東などの再エネ資源国へ輸出メディカル・デバイス・コリドー〈研究開発〉山梨大学・医学部〈地元企業との懸け橋〉産業技術センター富士山麓先端健康産業集積プロジェクトファルマバレープロジェクト〈総合支援窓口〉メディカル・デバイス・コリドー推進センター「山梨のグリーン水素」が「日本」の脱炭素化に貢献山梨を未来のトッププレーヤーへ5

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