fureaivol69
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ないので、いつ噴火してもおかしくありません。 噴火する前には、地震などの兆候が検出されると考えられます。兆候が表れてから、実際に噴火するまでの時間は数日の場合もありますが、短い場合、2時間ぐらいかもしれません。しかし、溶岩が流れるスピードは、人が歩く速さとほぼ同じで、避難は十分可能です。 火山専門の研究機関である、山梨県富士山科学研究所では、さまざまな角度から火山としての富士山を研究し、情報を発信しています。その中でも、富士山ハザードマップや溶岩流シミュレーションは、長年の知見に基づき想定した火山噴火の被害予測です。日頃からこれらを見て、自分の家や学校、職場などから安全な場所までの避難計画を考えておけば、慌てず避難ができます。 自治体や研究者は、住民が安全に避難できる仕組みなどを考えてくれていますが、もし噴火が起きた時はできることが限られるので、住民が素早く情報を収集して行動に移すことが重要です。しかし、インターネットなどに慣れていない人は迅速に情報収集することができずに困るでしょうし、お年寄りやお体が不自由な方、持病のある方などが素早く避難できるのかも心配です。そこで、スマートフォンを使いこなせて、行動できる私たち若者が、お年寄りに声掛けするなど地域の皆さんの避難行動の手助けを意識すべきだと思います。 私たちは今回、富士山火山防災を考えましたが、情報収集や避難の準備など日頃の防災意識が肝というのは、自然災害や、コロナ禍での行動と全く同じだと気付くことができました。もしもの時は、私たちの創意工夫で地域を助けられるように、今からしっかり準備しようと思います。いざという時のために、日頃からスマートフォンのバッテリーの確保やアプリを活用した情報収集も大事ですね。日頃の防災意識の向上や、災害時などに、若い皆さんが活躍してくれることは心強いです。僕は小中学生に柔道を教えているので、子どもたちにも富士山について伝えたいです。山梨県富士山科学研究所 主幹研究員富士山火山防災研究センター長博士(理学)吉本 充宏さん私が説明させていただきました !【問い合わせ先】 富士山の調査研究については 山梨県富士山科学研究所 TEL 0555-72-6211 FAX 0555-72-6204 富士山のハザードマップや溶岩流シミュレーションなどを活用して富士山や火山現象を理解し、活火山であるということを常に意識してください。正しい知識と情報を得ることが、災害の軽減につながります。◀富士山ハザードマップ (想定火口範囲)▲溶岩流シミュレーション (ドリルマップS25)CHECK !■新想定火口範囲ー旧想定火口範囲15

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