fureai68
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芸術の源泉としての山梨県と静岡県の連携企画 新型コロナウイルス感染症の影響により農産物などの売り上げが落ち込む中、山梨県と静岡県が連携して、お互いの県の特産品を紹介し、購入し合うことで生産者を支援する取り組み「バイ・ふじのくに」が始まっています。これをきっかけに、今後、さまざまな分野で両県の交流が活発化することが期待されています。両県の美術館などでは、富士山をテーマにした芸術作品を数多く収蔵・展示しています。古くからその雄大な姿は、多くの人を魅了し続け、さまざまな芸術作品が生まれてきました。その魅力の一端をお楽しみください。ここから下の段は広告です。広告の内容については、広告主にお問い合わせください。甲府市出身の萩原英雄は、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」に学びながら、浮世絵の木版画技法をアレンジした連作木版画「三十六富士」をつくり出した。そのうちの1点「石和早春」では、山梨からの眺めらしい、山並みの向こうにちょこんと頭を出す富士山が表現されている。山頂は「きめこみ」という技法による凹凸が付けられ、白い雪に表情が生まれている。■1 三十六富士 石和早春山梨らしい富士山、現代の富士山版画「冨嶽三十六景」は、葛飾北斎による富士山を題材とした風景画のシリーズ。「甲州三坂水面」は甲府盆地と河口湖を結ぶ御坂峠からの景色を描いている。実際の富士山が夏であるのに対し、河口湖面に映る逆さ富士には雪が積もっているところが面白い。■2 冨嶽三十六景 甲州三坂水面夏と冬!?どちらの富士山も楽しもう!江戸時代に活躍した絵師・春木南溟による作品。富士が布中央に、その下に富士北麓の北口本宮冨士浅間神社が描かれている。境内の建物はおおむね実景を反映したものとなっており、さらに境内奥の登山門から山頂まで登山道は続いている。■4 富士曼荼羅図吉田口からいざ富士登山 !太宰没後、御坂峠に建てられた文学碑に「富嶽百景」の一節「富士には月見草がよく似合ふ」が刻まれた。東京で荒れた生活を送っていた太宰は、作家・井伏鱒二の誘いで御坂峠の天下茶屋に滞在。豊かな自然の中、富士山に向き合い心身の健康を取り戻し、作家として再生していく。この一連の出来事が「富嶽百景」に描かれた。■3 太宰治「富嶽百景」太宰治、富士山の見える地で生まれ変わる !?まん だ ら萩原英雄 木版画 (山梨県立美術館蔵)葛飾北斎 錦絵 (山梨県立博物館蔵)御坂峠文学碑拓本 軸装 (山梨県立文学館蔵)はる き なんめいます じ春木南溟 絹本着色 (山梨県立博物館蔵)18

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