fureaivol67
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 県は、特産品のブドウやモモなどの果樹が、光合成によってCO2をたくさん吸収していることに着目しました。このCO2を炭素として土壌に閉じ込めることができれば、温室効果ガスの削減に大きく貢献することが可能だと考えたのです。まさに、果樹王国ならではの取り組み方ですよね。そこで、県は樹形を整えるために剪定した枝を、専用の機器を使って炭(バイオ炭)にして埋める方法を考えました。剪定した枝を焼却する従来の方法では、果樹が吸収したCO2が大気中に放出されてしまうのに対し、バイオ炭にして埋める方法なら、半永久的に炭素として地中に閉じ込めることができます。それによって大気中のCO2の増加は抑えられ、さらに土壌改良の効果も期待できるそうです。この日、私たちが訪れた果樹園でも、剪定した枝をバイオ炭にする実証試験の準備が進められていました。 県では、これまでも温暖化により気温が上昇しても適応できる農産物の品種改良などを行っていたそうです。しかし、今回は環境問題と直に向き合い、農業サイドから温暖化を抑制していく、つまり適応型から抑制型への新たな取り組みに挑んでいるのです。そこには新たな付加価値の創造もあります。「4パーミル・イニシアチブ」に取り組む農園で栽培された環境に優しい果物を、山梨の新しいブランドとして認証していく取り組みも進められているそうです。 「4パーミル・イニシアチブ」を通して温暖化を抑制するだけでなく、身近なブドウやモモなどの果物を付加価値のある特産品にすることができる、まさに果樹王国である山梨県にふさわしい取り組みです。みんなで応援していきたいですね。私たち若者が興味を持ち、情報を広めることが取り組みの普及につながると感じました。この山梨から全国の、そして世界の環境を変えていく意気込みで一緒に頑張っていきましょう!バイオ炭の活用法の研究を進めていけば農地が豊かになると思います。山梨県は、農業サイドから地球温暖化を抑制する「4パーミル・イニシアチブ」に、日本の地方自治体として初めて参加しています。今後は、他の自治体にも積極的に呼び掛け、参加してもらうことで地球温暖化を抑制していきたいです。農政部長 坂内 啓二さん私が説明させていただきました !【問い合わせ先】 農業技術課 TEL 055-223-1619 FAX 055-223-16224‰(パーミル)=0.4%世界の土壌の炭素量を年間0.4%増加させれば、人間の経済活動によって放出される大気中の二酸化炭素を実質ゼロにできるという考えに基づいた国際的な取り組みです。令和2年9月現在489の国や国際機関が参画しています。「4パーミル・イニシアチブ」とは?CHECK !17

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