ふれあい特集号vol60(デジタルブック版)
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フルーツアートのデザートや手打ちほうとうなどを作る食育体験メニューは、子どもたちに大人気 笛吹市で三代続く果樹農家に生まれた古屋千鶴さん。「もともと食と体の関係に興味があり、食べ物や栄養に関する本を読むのが好きでした。バレーボール部に所属していた高校時代には、強い体をつくるためのアスリート食に興味を持ち、スタミナが持続する食事方法を試してみたら、パフォーマンスが上がったんです。その時、食事が体に及ぼす影響のすごさに衝撃を受けました」これがきっかけで、食に携わる仕事がしたいと考えるようになったといいます。 高校卒業後は県外大学の食物栄養学科で学び栄養士と教員の免許を取得し、その後は山梨に戻って調理師専門学校の講師や高校の家庭科の教員、病院の栄養士として働きながら、調理師や管理栄養士の免許も取得しました。 現在は、食育体験型カフェ「マルサマルシェ クッキングスタジオ」を営み、地域食材のおいしさや、手作りの楽しさを味わう機会を提供している千鶴さん。「この取り組みを始めたのは平成24年です。父が営む古屋農園が観光にも力を入れることになり、果物狩りにいらしたお客さまに、何か記憶に残ることを体験してもらいたいと考えたのがきっかけでした」 クッキングスタジオでの体験メニューは、「採って、作って、食べる」が基本。農園で自らもぎ採ってきたばかりのモモやブドウをふんだんに使うパフェやドレッシング作り。また、自分で打った麺を採れたての野菜と一緒に煮込む、山梨の郷土食・ほうとう作りなど、食の魅力を感じながら気軽に楽しめるものばかりです。千鶴さんは、こうした体験を通じて、多くの人に料理の楽しさを伝えたいといいます。 また、親子で釣りざおを手作りしニジマスを釣って食べたり、天空カボチャの畑で調理と試食を楽しんだりと、産地で食を学び楽しむ企画も提供してきました。 「山梨には、魅力的な食材がたくさんあります。これまでは自社農園の果物や野菜が中心でしたが、今後は県内のいろいろな食材や食べ方を、体験メニューを通じて伝えていきたい」と千鶴さん。その笑顔は、はつらつと輝いていました。原点は、高校時代の体験一瞬を大切にきらめく やまなしのシュン!マルサマルシェ検索マルサマルシェ クッキングスタジオ 笛吹市一宮町末木238 TEL 0553-47-4447 営業9:00~17:00 月曜日定休(季節により変更あり) 各種体験を希望の方は事前予約が必要「大人にも子どもにも、料理をすることを楽しんでほしいです。調理体験をしていると、皆さん自然に笑顔になるんですよ」と千鶴さん。参加者の笑顔から、自身もエネルギーをもらっているといいますクッキングスタジオで販売している干し芋は、一つ一つ丹精込めて作られている「採って、作って、食べる」体験が記憶に残り「学び」になるふれあい19

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