ふれあい特集号vol60(デジタルブック版)
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ふれあい17富士吉田防災士会会長渡邊 俊久さん検索富士山科学研究所 【問い合わせ先】 住所:富士吉田市上吉田字剣丸尾5597-1TEL:0555-72-6211 FAX:0555-72-6204 富士吉田防災士会は、平成27年、地域の防災・減災力を高めていくために発足しました。富士山を訪れる登山者や観光客だけでなく、地域住民の中にも、富士山は噴火しないものだと楽観視している人が少なくありません。しかし、噴火はいつ起きてもおかしくないという意識を持つことが大切です。いざというときに一人ひとりがしっかり対応できるよう、私たち防災士は、防災意識の啓発や防災訓練の支援など、さまざまな活動を続けています。 そんな私たちにとって、富士山に関する専門的な研究を行い、その成果を教えてくれる研究所の存在はとても心強いです。これからも連携を図りながら、地域住民の安全・安心な暮らしのため、活動していきたいと思っています。のレベルを向上させることができます。重力には、実際に物が動くとその動きを検知でき、重い物が近くに来ると大きくなるという性質があります。これを重力計で観測することにより、地下のマグマの動きを把握することができます。 こうした火山活動の観測データは、さまざまな防災対策に役立てるため、当研究所のホームページなどで公開していく予定です。今年導入する新型の重力計は、観測の拠点となる当研究所に設置し、現在使用している機器を富士山4合目と5合目に設置します。このように複数の地点で観測を行うことで、マグマの動きをより正確に推測することができます。「赤色立体地図による富士山の立体模型」(アジア航測 作製)地形の詳細な高低差が分かるほか、溶岩が流れる方向のシミュレーションもできる研究所内に設置した重力計。今年は新型機を導入する「防災士会は、地域との連携を深めていくためにも、頼りがいのあるパートナーです」「研究所の研究成果を地域の皆さんにもっと知ってもらいたいです」とお互い信頼関係を築いている富士山科学研究所研究所と連携し地域住民の防災意識を高めていきたいです 噴火は起こらないに越したことはないのですが、万一の際には、気象庁などと連携する中で適切な情報を発表し、人々が自ら命を守る一助になればと思います。こうした情報を発表するに当たっては、地域の皆さんとの信頼関係が不可欠ですので、日ごろから防災対策についての連携を図ることが大切になります。 富士山には国内外から多くの人が訪れます。今後も、常に緊張感を持って観測・研究を行い、迅速に、確実な情報を提供できるよう努めていきたいです。地域との連携を図り防災対策を推進

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