ふれあい特集号vol60(デジタルブック版)
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16 山梨の産業の活性化や県民生活の向上を目指す試験研究機関の紹介富士山科学研究所本多 亮 研究員 富士山科学研究所は、平成9年に山梨県環境科学研究所として開設され、富士山をはじめとした県内の自然環境などを研究しています。平成25年の富士山の世界文化遺産登録を機に、平成26年4月、富士山科学研究所に組織改編し、それまで積み重ねた研究成果を基に、富士山の環境保全や火山防災などの研究を強化することとなりました。研究所には、環境教育や情報発信などを行う部門のほか、自然環境、環境共生、火山防災の各研究部門があり、富士山を次の世代に引き継ぐため、さまざまな角度から科学的に研究を行っています。 私が所属する火山防災の研究部門では、主に富士山の噴火履歴や予測に関する調査・研究に取り組んでいます。これまで地震計などを使って火山活動の観測・研究を行ってきましたが、従来の観測方法だけでは限界があるため、重力計を使ってマグマの動きを観測する体制を整備しています。例えば、良くできた食品サンプルと本物を見分けるためには、目で見るだけでなく、匂いをかいだり、触ってみたりします。それと同じように、火山活動の観測においても、地震活動や地殻変動などのほかに重力という別の要素をプラスすることで、噴火予測に関する研究 富士山科学研究所vol.❽富士山科学研究所では、富士山の噴火予測に貢献し、噴火に備えた防災対策につなげていくため、新たに重力計を使った観測を取り入れ、観測体制の強化を図っています。重力計で富士山のマグマの動きを監視富士山の自然環境を研究し次世代につなぐ富士山のマグマを重力計で監視し火山活動の観測体制を強化

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