ふれあい特集号vol.58(デジタルブック版)
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07ふれあい富士川町鰍沢上北町自主防災会防災長 中澤 良夫さん 防災次長 深沢 一司さん災害に強い山梨を目指して 被災地に赴き災害ボランティア活動をする一方、活動の中で得た経験を通し、被害を最小限に抑えるための防災ボランティア活動も行う「災害・防災ボランティア未来会」の山下博史代表に、災害に備えた地域防災のあり方や共助の大切さについて伺いました。 災害が発生した時、どのような行動を取るべきか判断するためには、住民一人ひとりが日ごろから意識を高めておくことが必要です。具体的には災害を甘く見ず、地域の災害の特性と対処法を正しく学ぶことです。そして「地震の時は」、「水害の時は」と、それぞれの場面で取るべき行動を事前に訓練しておくことです。例えば、地震の避難訓練の際に、ブロック塀がある道を通っていませんか? 水害の避難訓練のとき、川の近くを通っていませんか? 災害の種類ごとに安全な避難経路をしっかりと住民が把握しなければ意味がありません。さらに大切なことは、地域や職場、学校などにおける「つながり」を持つことです。地震が発生した瞬間に両隣の家に声を掛けるなど「共助」は非常に大切です。共助とは普段からの隣り近所の付き合いの延長です。私は共助のことを「協助」とも言っています。小さな力を足して大きな力になると協力になります。共助とはお互いが協力して助け合うこととも言えます。その共助の体制を強くすることが、災害に強い地域づくりだと考えています。 地区防災計画策定のモデル地区の一つである富士川町鰍沢上北町で、山下 住民が地域のことを熟知しているのが私たちの強みです。災害時に安否を知らせる黄色い旗を各世帯に配布し、無事であればこの旗を玄関先に出すことにし、班ごとの避難経路を作り、掲示するなど日ごろから備えています。講座でも取り上げられましたが、地域防災で一番大事なことは人のつながりだと思います。「共助努力」被災地から学ぶ日ごろの連携普段のつながりが「共助」の体制を強くする代表 山下 博史さんNPO法人 災害・防災ボランティア未来会 地区住民に向けた防災講座さんを講師に迎えて「地区防災計画作成・実践支援事業に係る防災講座」が開催されました。第1回目となる今回の講座では、大規模災害の発生時から復旧の過程などの映像を見ながら、もし自分たちの地域でこのような災害が起きた場合はどうなるのか、参加者一人ひとりが想像し、そのための備えについて考え、防災への意識を高めていきました。防災は画一的でなく、人それぞれの置かれた状況に合わせて行うことが必要であり、備えていれば助かる命があることや、高齢者の人生の知恵も共助に生かすことができるといった話がありました。••

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