ふれあい特集号vol.58(デジタルブック版)
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11ふれあい 私は、富士山の水が世界一きれいで、おいしくて、豊富であることに誇りを持っています。そこで、地域の宝であるこの名水を守り続けるために、富士吉田市を拠点とするミネラルウオーター製造会社6社で平成28年5月、「富士吉田ミネラルウオーター保全協会」を設立しました。また、最近では、企業と行政が一体となり育水を進め、産業としても発展させなければといった動きも出てきました。そこで、ミネラルウオーター製造会社だけでなく、農業や織物など水を利用している他の産業と共に富士吉田市と連携し今年6月、「富士山の天然水の聖地富士吉田公民連携協議会」を設立しました。 協議会では、富士山の天然水のブランド力を強化し、関連企業の国内外の販売拡大を図ること、また収益の一部を地域課題の解決に活用し富士山を愛する多くの人々と共に、自然環境や景観を保全する活動を行っていきます。 地域の発展の源は、きれいな水、きれいな空気、つまり富士山から享受している自然の恵みです。この地域の魅力を全ての業界が一致団結して広めていきたいと思っています。富士山の天然水をブランド化して公民連携により地域振興を図る富士山の天然水の聖地富士吉田公民連携協議会富士山の銘水(株)代表取締役社長理事長 粟井 英朗さん山梨の湧水と嗜好飲料の魅力を分析、専門家へのインタビューも掲載した冊子『OASIS』も学生たちが作成「育水」から始まる「水」のブランド化湧水によって生じるコーヒーの味の違いを研究 山梨大学地域未来創造センターの杉山歩特任准教授(山梨県立大学国際政策学部講師)と共に、4年ほど前から地域のお祭りでカフェを出店している学生たちは、早川、南アルプス、八ケ岳などの湧水を使ってコーヒーを入れることを思い立ち、コーヒー豆と県内各地の湧水の相性を自分たちなりに調べ始めました。山梨にはさまざまな特徴を持つ水があることを知った学生たちは、アンケートや味覚センサーによる定量評価など、さまざまな調査を行いました。中でもコーヒー、緑茶それぞれの専門家へのインタビュー調査から、湧水によって生じる味の違いについて興味深い結果が得られ、ブランド化に向けた方向性を見つけました。昨年度の研究では単一のコーヒー豆だったので、今年度は複数の産地や焙煎度合による相性を分析することで、特徴を明確化にして、それぞれの湧水のブランド化につなげることを目標にしています。 さらにおいしい水とコーヒーの相性を追求して、山梨に新しいカフェ文化を広めていくことも目標の一つ。今後は食品も研究対象に加え、さらなる山梨の水のブランド力強化を目指していきます。│未来計画研究社(山梨大学地域未来創造センター内)│「嗜好飲料を通して水のブランド化につなげたい」と意欲あふれる学生たちと杉山特任准教授(左)採水地の環境が守られている富士北麓し こう

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