ふれあい特集号vol.54(デジタルブック版)
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09ふれあい 三次元座標測定機、表面粗さ輪郭形状測定機など数多くの機器を整備した精密測定室は、国際規格の20度に管理されています。これらの機器は、企業から持ち込まれる製品の評価に使用されています。 世界的にバイオマス利用の機運が高まる中、国内でもバイオマス変換材料の研究開発が進んでいます。中でも、化学反応によりバイオマス資源から得られるセルロースナノファイバーは炭素繊維に匹敵する強度と軽さがあり、車のボディーなどに使うことで軽量化やコストダウンが可能になる材料として、近年注目されています。また吸水性を高める働きもあるので、既に紙おむつなどへの実用例もあるなど、幅広い活用が期待されています。 本県は森林が豊富で、果樹栽培などの農業も盛んなため、バイオマス資源がたくさんあります。このため、新たな取り組みとして、乾燥させたワインの搾りかすから得られたセルロースナノファイバーを活用する研究に取り組んでいます。現状は基礎研究の段階ですが、いずれは県内の樹脂成形企業や製紙企業での活用につなげていきたいと考えています。企業からの依頼を受け、センター職員が製品や原材料などの各種試験・測定・分析を行うセルロースナノファイバー試作品(上)乾燥させたワインの搾りかすと粉末(右)三次元座標測定機(上)コンフォーカル(共焦点)顕微鏡(右)表面粗さ輪郭形状測定機(下)室内温度、マイナス18.5℃を表示(上)マイナス18.5℃の室内(右)恒温恒湿室の外観(下) 室内の温度をマイナス40度~プラス80度、湿度を10~95%と、自由に制御して評価対象物の環境試験を行います。電子製品や部品が使用環境下で問題なく作動するか評価を行うなど、幅広い試験が可能です。未来につなぐ ものづくり産業バイオマス資源を山梨の産業へ結び付ける研究開発精密測定室━恒温恒湿室━ 佐藤 貴裕 研究員甲府技術支援センター材料・燃料電池技術部  産業技術センターでは県内企業の技術支援のため、保有設備の充実を図っています。製品の開発、試作、品質管理などにご利用ください。県内企業の皆さんへセンターの機器・設備をご利用ください高度信頼性評価システム

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