ふれあい特集号vol.52(デジタルブック版)
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 山梨県の木質バイオマスの安定供給、森林資源を利用した持続可能な循環型の社会づくりを推進するため、関連企業、NPO法人、県などにより平成23年に協議会が設立されました。協議会では、木質バイオマスや、その利用機器の普及PR、安定供給の仕組み作り、燃焼効率などの調査、また、研修や説明会の実施などを行っています。  08チップ庫には約10日分の木質チップが貯蔵され、自動的にボイラーに供給される木質バイオマス資源の利用拡大 森林内に残されていた間伐材などを有効利用するため、市町村の温泉施設などへの木質バイオマスボイラーやストーブなどの導入に対し支援しています。また、ボイラーなどの導入を検討している施設に対して、専門技術者を派遣し導入に向けた提案も行っています。伐採された松枯れ材は、移動式チッパー機によりチップ化され、ゴルフ場へ搬出される佐藤 充彦さんレイクウッド ゴルフクラブ サンパーク明野コース 支配人志沢 美香さんやまなし木質バイオマス協議会事務局 オープンして25年、美しい森林環境の中にあるゴルフ場として好評をいただいていますが、ここ5年ほど松くい虫による松枯れが深刻な状況となっていました。そのような中、やまなし木質バイオマス協議会の会員であり、北杜市明野地区の森林を整備している有限会社・藤原造林から、伐採した松枯れ材を再生可能エネルギーとして活用する木質チップボイラーの提案をいただきました。早速、やまなし木質バイオマス協議会も交え検討に入り、木質チップボイラーをすでに使用している徳島県の事例を視察しました。ゴルフ場で活用するには木質チップの安定供給が不可欠ですが、藤原造林の土場はゴルフ場に近く、その場でチップを作り、すぐに搬入してもらえるという好条件と、ボイラー導入などに対する県からの補助金が受けられることから、木質チップボイラーの導入に踏み切ることができました。ゴルフ場としての取り組みは日本初のモデルケースであることから、国のCO2削減事業のモデルになり、関係団体から視察の依頼も受けています。│レイクウッドGCサンパーク明野コース││やまなし木質バイオマス協議会│エネ ルギー地産地消による再生可能エネルギーオーストリア製のボイラー5台で、クラブハウス内の入浴施設やレストランなどの給湯を賄っている木質バイオマスのさらなる利用を目指して  最近では移動式チッパー機を導入し、現場近くでのチップ化が可能となり、安定供給できる実例もあるなど木質バイオマスのさらなる普及が期待されています。 事業者だけでなく、一般家庭用の薪ストーブやペレットストーブの設置などについての相談も行う一方、環境に優しい再生可能エネルギーを使うことの意義を多くの方々に伝えています。薪(マキ)チップペレット木質バイオマス

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