ふれあい特集号vol.52(デジタルブック版)
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 米倉山太陽光発電所の屋外休憩施設「サンシェードテラス」の設計に関わらせていただきました。 CLTは主に構造部材として用いられるため、通常は外装や内装に隠れていますが、この施設ではCLTの表面や断面を見せることで、木目の美しさや、木のぬくもり、柔らかさを感じてもらえるようにしました。CLTはプレファブ化されているので、集合住宅など画一的な建物を造る際にメリットがあると思います。強度があり柱も必要なく、開口部も広く取れるため、景観を楽しみたい場所の建物にも適しています。将来的には一般住宅にも活用されることが理想です。CLT工法は新しい技術なので、私たち設計士も勉強会などに積極的に参加し、CLTの持つ可能性を広げ、普及に努めていきたいと思います。県産スギを3層にしたCLT、厚さは9センチメートル。屋外休憩施設「サンシェードテラス」では、壁に使用している3月28日に行なった、CLT工法を活用した屋外休憩施設「サンシェードテラス」の完成式代表取締役 中田 雅弘さん株式会社 雨宮建築設計事務所 CLT(直交集成板)は、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した重厚なパネルです。欧米を中心にマンションや商業施設などの壁や床に使用され、各国で需要が伸びています。日本でも林野庁と国土交通省が「CLTの普及に向けたロードマップ」を作成し、普及に関する施策を計画的に進めています。施工が容易で頑丈、熟練工への依存が少なく工期も短縮できるシンプルな施工で、コンクリートより軽いため基礎工事の簡素化が可能といった特長があり、公共建築物をはじめ、これまで木材が使われてこなかった建築分野への利用も期待されています。 山梨県でも県内初となるCLTを構造部材に使用した屋外休憩施設「サンシェードテラス」を米倉山太陽光発電所の敷地内に建設しました。今後は、建築や林業に携わる方に、この建物を通してCLTを普及していくとともに、建築士を育成する研修会などを開催していきます。新技術・CLT工法普及による新たな木材需要の創出休憩施設内部には、木製ベンチ20脚を設置CLT工法の技術に触れられる施設       │屋外休憩施設「サンシェードテラス」│❶❷❸  06

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