ふれあい特集号vol.52(デジタルブック版)
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 県土面積の約8割を森林が占める全国有数の森林県・山梨には、建築用材となるスギ・ヒノキ・アカマツ・カラマツがバランス良く分布しています。また、森林の所有形態は、国有林が1%、民有林が53%、県有林が46%と、県有林の占める割合が全国で最も高いことが特徴です。その背景には、明治末期、本県で発生した大水害が県民の生活を脅かしていることを知った明治天皇が、県下の御料地のほとんどを県の復興に役立てるようにと、本県に御下賜され、それが県土の約3分の1を占める県有林の基になっているという歴史があります。 高度経済成長期に植えられた人工林は、今、利活用すべき時期を迎えています。こうした中、県では、平成27年に「やまなし森林・林業振興ビジョン」を策定し、「材」「エネルギー」「場」の3つの観点から、山梨の森林資源が持つ可能性を最大限に広めていくための取り組みを行っています。 特に、「材」では、県産FSC®認証材を、東京オリンピック・パラリンピック関連施設へ建築用材として活用することを積極的に働き掛けています。また、木材需要の拡大につながる新技術・CLT工法などを普及させるために、県内の公共建築物へのCLTの利用を進めています。 「エネルギー」の面では、木質バイオマスを安定供給できる環境を構築し、再生可能エネルギーの利用を促しています。 そして、豊かな森林空間を保健・レクリエーションといった癒やしの場や、観光資源として活用していくなど、「場」としての活用も進めています。 県では今後、森林を計画的に伐採して木材の利用を拡大するとともに、再造林などによる適切な管理に努め、森林資源の循環利用による林業経営を展開していきます。  04森林資源を利活用「材」「エネルギー」「場」として昭和25年、昭和天皇の御臨席のもと、第1回全国植樹祭が開催された地、「武田の杜」(甲府市)。今では、豊かに育った森林が広がっている。     植える育てる使うご か し森林資源の循環利用

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