ふれあい特集号vol.52(デジタルブック版)
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03ふれあい山梨の森林の魅力を広げる豊かな自然を守り伝える、心を持つ森林の持つ大切な役割とは東京からわずか1時間半ほどの所に、歴史が育んだ原生林が残っているのは奇跡に近いと思います。富士五湖や樹海など、富士山がつくり上げた自然には、他では味わえない魅力があります「大きなブナの木を見られてよかった。木の穴に頭を入れたら涼しくて、ビックリした。木村先生の話を聞いて森を大切にしようと思った」と話す、富士豊茂小の子どもたち動画で見てみよう! 木村東吉さんのインタビュー❶スマートフォンまたはタブレットに「Layar」のARアプリをダウンロード(無料)❷アプリを起動❸右の写真にかざした後、タップすると動画が再生されます。Layar(レイヤー)アウトドアエッセイスト木村東吉さんTokichi Kimura1958年大阪府生まれ。20代はファッションモデルとして活躍。1996年より日本工学院八王子専門学校のアウトドア実習講師を務める。2001年「全国植樹祭記念式典」NHK実況放送ゲスト解説を務める。2008年スイス政府観光局のアンバサダーを務める。2013年「NHK地方放送文化賞」受賞。現在は富士河口湖町に拠点を置き、執筆、キャンプ教室の指導、講演、企業広告出演ならびにアドバイザーなど幅広く活躍中。自然の話に耳を傾けたり、溶岩の流れた跡を観察したりしながら樹海を散策。やがて新緑が美しい大室山のブナ林に到着です。 樹海の中とは思えない、明るく広々としたブナ林で「森が持つ大切な役割にはどんなことがある?」と、木村さんが問い掛けると「空気をきれいにしてくれる」「動物が生きる場所」と、子どもたちの答えが返ってきました。にこやかにうなずく木村さんは子どもたちに「森には水を蓄えるという大切な働きもあります」と話を続けます。「雨が降ると森が水を蓄え、栄養素を含んだ水は川となり海に流れ込みます。それが海の栄養になり魚を育てます。みんなが森を大切にすることは、海を大切にすることにもつながるんだよ」と、自然の成り立ちを話してくれました。 木村さんは、ブナの大木にそっと触れながら「植物は動いていないように見えますが、ゆっくりと動いています。そして、何百年も何千年も生き続け、森をつくってくれます。森は自然界だけでなく、私たちにとっても大きな役割を果たしてくれています」と、森と共存する生活の尊さ、素晴らしさを子どもたちに話してくれました。 鳥の声と風に揺れる木々の音だけが聞こえてくる森の中で、木村さんは「実際に森に入ってみないと分からないことがたくさんあります。穴のあいた木が天に向かってどっしりと立っている、鹿に皮を食い散らされた木も頑張って生きている。森の中に一歩入ると、いろいろなことを感じ取ることができます。子どもたちには、森のことをよく知ってもらい、この豊かな自然を守り続けていくことの大切さを学んでほしいですね。私も、ここ富士山周辺の自然の魅力を訪れた人たちに伝えていくことが自分の役目だと思っています」と語ってくれました。その穏やかな表情からは自然への深い思いが伝わってきました。山梨の森は最高!

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