ふれあい特集号vol.52(デジタルブック版)
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 これまで当センターでは、試験的に飼育していたキングサーモン(和名:マスノスケ)を利用して付加価値の高い魚を開発し、実用化するための研究を進めてきました。昨年12月、国の承認が得られ、この新ブランド魚を養殖利用できることになりました。 サケ・マス類では最大のサイズを誇り、食材としても世界的に高く評価されているキングサーモンは、我が国では希少で飼育も難しい魚です。今回開発に成功したのは、キングサーモンを父に、餌をよく食べ成長が早いといった養殖に適した性質を持つニジマスを母に持つ魚です。両親の良いところを受け継いだこの魚は、肉質、味わい共に最高ランクとなることが期待できます。また、加熱加工された餌のみを用いて淡水中で養殖されるため、生食でも食べることができます。 新ブランド魚の名称については「山梨らしさ・魚の掛け合わせ」などの視点により一般公募から選び、今後、発表する予定です。  12日本初、キングサーモンとニジマスを交配した新たな養殖魚の開発に成功期待が高まる山梨の養殖魚期待が高まる山梨の養殖魚名水で育んだ山梨県産ブランド魚水産技術センター 忍野支所三浦 正之研究員 重さ1㎏以上の大型のニジマス。サーモンピンクの身は、あっさりとしていながら、上質な脂が適度に乗った上品な味わい。生食はもちろん、さまざまな料理に使われる。 豊かで清らかな名水に恵まれた山梨は、県産ブランド魚「甲斐サーモン」などをはじめとした全国有数の淡水魚の養殖産地です。こうした地の利を最大限に生かし、キングサーモンとニジマスを交配した新たな養殖魚の開発に日本で初めて成功しました。今後は、東京オリンピック・パラリンピックに合わせてこの魚を県民の皆さまや観光客に提供できる体制を整えていきます。甲斐サーモンキングサーモンとニジマスの掛け合わせにより生まれた新ブランド魚。3年で全長70cmほどに成長。

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