ふれあい特集号vol.48(デジタルブック版)
15/24

ふれあい15【問い合わせ先】 活動の全てが自分の成長につながっていると感じます得難い経験にはたくさんの感動があります検索身延山大学仏教学科4年岡村 達人さん仏教学科柳本 伊佐雄 教授身延山大学 TEL 0556-62-0107(代表) FAX 0556-62-0727仏教学科3年池田 優季名さん 世界遺産修復で他国の文化に触れたり、卒業生の方々の仕事をお手伝いさせてもらったり、そんな活動の全てが自分の技術と内面の成長につながっていると感じています。仏像制作に興味があってこの大学を選びましたが、今では仏教について、もっと勉強したいと思うようになりました。世の中に必要とされる存在となり未来に技術を継承してほしい オープンキャンパスでノミ入れをさせてもらった悲母観音像に、入学後彩色し、岩手県陸前高田市のお寺に納めました。地元の皆さんに感謝されたことを今でも鮮明に覚えています。将来の目標は学芸員ですが、修復にも携わっていきたいと思っています。になりたい」と、東日本大震災の被災地に悲母観音像を建立。現在は二体目として慈母観音像の制作に取り組んでいます。 さらに、2001年からラオスの世界遺産の町ルアンパバンの仏像修復プロジェクトも企画から現地での作業や運営まで学生が主体となり行っています。寺院調査や仏像基本台帳作成などの基礎情報の収集から始まったプロジェクトは、先輩から後輩に代々受け継がれています。現在では、仏像修復活動は拡大し、現地の修復技術者の育成にまで進展を遂げているそうです。 仏像や文化財の修復ができる技術者が減少しているという今日、「日本の伝統的な技術を身に付け、世界中から必要とされるようになりたい」と、学生たちは日々、研さんを積んでいます。 文化財の研究は進められていても、修復など技術面の蓄積はおろそかにされがちです。仏像制作という、人の心の支えとなる学びができるのは全国的にも例がないことです。 技術の習得は決して簡単ではありません。しかし日々の積み重ねを大切にし、諦めずに粘り強く取り組めばできることを知ってほしい。そして、知識、技術の習得にとどまらず、人間としても大きく成長し、エキスパートになってほしいと願っています。

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る