ふれあい特集号vol.45(デジタルブック版)
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食べることが大好きな少女がやがて食育アドバイザーにご主人が育てた玄米に十六穀を加え発芽させてから炊いた塩麹ごはんと、カブ、ニンジン、セリ、油揚げなど具だくさんのみそ汁。副菜は、季節の野菜の浅漬け、自家製ごま豆腐、放牧鶏の煮卵など。素材そのものの味と、よくかみしめて味わう喜びを思い出させてくれる。デザートは自家製イチゴをシロップにしたかき氷ふれあい一瞬を大切にきらめく やまなしのシュン!ご主人との結婚を機に、生まれ育った東京から山梨に移住。山梨と東京で料理教室を主宰する傍ら、店舗のプロデュースやレシピの開発、保育園での食育活動といったさまざまなプロジェクトにも参加しやまなし暮らしを満喫しています。 「空気がきれい、水もおいしい。そして新鮮な食材が、簡単に手に入る。ここは本当に素晴らしい場所ですね」自然に囲まれた暮らしは、驚きと喜びに満ちていると言う真藤さん。一方で、「野菜も、果物も、お肉にしても、おいしい物を一番おいしい状態で食べられるのは最高のぜいたくなのに、山梨の人にはそれが当たり前のことになっているみたいで、もったいないなって思うんです。だからこそ、食材そのもののおいしさを味わう、ということを伝えていきたいし、それを通してあらためて食材に感謝するということも伝えていきたい」と、昨秋、山梨市駅前にカフェ「my―an」をオープン。旬の山梨県産食材を使ったシンプルな料理を通して、食材そのものの味を楽しむ、という提案を始めました。 「食は、人間の生活そのもの。料理、器、所作など、その全てが総合芸術だと思うんです。私も、担い手の一人としていろいろな形で食文化を伝え、また、その発展にも力を尽くしていけたら」と語る真藤さん。涼やかなまなざしに、熱い思いがあふれていました。 食べることが大好きで、3歳の頃にはキッチンに立っていたという真藤舞衣子さん。友人が3歳の子どもに冷凍したコンビニ弁当をレンジで温めて食べさせているのを見てショックを受け、それ以来、「食」を真剣に考えるようになったといいます。それまで勤めていたIT系企業を退社すると、知人に紹介された京都の寺院で1年間、畑仕事や茶道をしながら生活し、その後フランスに留学して料理学校の課程を修了。帰国後、東京・赤坂にカフェを開き、手軽でおいしい家庭料理を提供したり、料理教室を開いたりと、食育の普及に取り組み始めました。 「食育というと子どもへの教育と考えがちですが、親への教育が大事だと思っているんです。だから、最初に伝えようと思ったのは、『ご飯を作るって簡単なんだよ』ということ。夜、ご飯を多めに炊いておけば、翌朝おにぎりにして昼のお弁当にできる。みそ玉を作って持って行けば、お湯を注ぐだけでみそ汁になる。忙しい日々の中でも、意識を少し変えるだけで、できることはたくさんあるんです」 山梨でワインの醸造と農業をしている食文化の担い手そして伝承者でもありたい「my-an」では、木曜日と月1回日曜日に料理教室を開催まいあんこうじ17

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