ふれあい特集号vol.43(デジタルブック版)
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リズムRhythmofLoveRhythmofLove安心安全郷育健康気気気気勇元本やる一つ一つがかけがえのない命。その大切さを伝えるために「教育」から「郷育」へさらに進化して「響育」へ 2008年3月、教師生活にピリオドを打ち、翌年4月、ボランティア団体「リズムオブラブ」を設立。故郷山梨を元気にするための「郷育」を掲げた、新たな挑戦が始まりました。 「設立以来、声が掛かればどこへでも出向き、活動を続けてきた結果、多くの県民に知ってもらい、応援してもらえるようになりました。活動のフィールドも県内全域に広がっています。ありがたいですよね」 10月上旬、甲府市立東小学校で行われた親子レク活動。講師に招かれた渡辺さんは、親子一組で不審者役の先生から逃げる「手つなぎ氷鬼」や、「助けてー」と叫びながら20メートル先で待つお母さんの胸元に走り込む「助けてダッシュ」など、たっぷりスキンシップできるプログラムを用意しました。笑顔があふれた活動の最後は、横になり、親子で抱き合って過ごす「ふれあいストレッチ」。心地よい音楽に包まれ、みんなの心と体が癒やされていくのが伝わってきます。 終了後、目に涙を浮かべた母親から「難しい年頃に差し掛かった息子に、久しぶりに寄り添うことができました」と感謝の気持ちを伝えられ、うれしそうな渡辺さん。山梨を元気にする「郷育」は、みんなの心に響く「響育」へと、進化を続けています。警察が、不審者に遭遇した子ども100人に聞いたところ、声を出せたのは3人、防犯ブザーを鳴らせたのは1人だったと聞きショックを受けたと渡辺さん。「言って聞かせるだけでなく、体験させて体で覚えさせることが大事。原点に戻ってもっとたくましく育てなければと、あらためて思いました」 「かけがえのない命を愛することのできる心と体づくり」を目指し、リズム運動に格闘技や礼儀作法などの要素を取り入れた「健康安全郷育プログラム」を考案・提供している渡辺光美さん。親子を対象にしたプログラムを基本にしながら、参加者の年齢・人数など状況に合わせて命の大切さを伝え、命を守る術を教えています。 小学校の教師だった渡辺さん。「先生になるのは子どもの頃からの夢。実は熱血教師だったんですよ。大学時代の専攻が体育、中でも表現運動が専門だったので、授業や学級活動にリズム運動を取り入れたり、運動会では表現種目のプロデュースもしました」と、当時を笑顔で振り返ります。 転機となったのは、2001年に起きた大阪教育大学付属池田小事件。「安全なはずの小学校に不審者が乱入し8名もの児童の尊い命が奪われたという、絶対にあってはならない事件が起きたことで、今のままではいけない、何かできることはないかと考えるようになりました」。そうして思い付いたのが、楽しみながら、かけがえのない命を守る術を身に付けたり、安心安全について一緒に考えたりすることのできる取り組み。試行錯誤を繰り返しながら実践したものが「健康安全郷育プログラム」の土台となり、今につながっています。いざというときの心と体の使い方を、親子でスキンシップを取りながら体感(甲府市立東小3年の親子レク活動で)ふれあい一瞬を大切にきらめく やまなしのシュン!リズムオブラブ検索すべ17

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