ふれあい特集号vol.43(デジタルブック版)
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10 平成25年6月、世界遺産に登録された富士山。私たちは、その美しい姿や、富士山に息づく文化を後世に継承していかなければなりません。 県では、富士山の世界遺産としての価値を国内外に分かりやすく伝え、また、保全活動や調査研究の拠点ともなる施設「富士山世界遺産センター」(仮称)の整備を、平成28年の開館に向け進めています。 また、ユネスコ世界遺産委員会からは、平成28年2月1日を期限に、富士山保全の方策を包括的に記した保全状況報告書の提出を求められており、報告書の提出に向け、同センターの整備を含め、さまざまな課題の解決に取り組んでいます。富士山世界遺産センター平成28年開館予定「御中道巡り」で富士山の世界観を体感 エントランスホールに入ると、来館者は2階に誘導されます。2階は、富士山ならではの自然と人の関わりに触れるゾーン。富士山を模した和紙製の立体スクリーン「冨嶽三六〇」を眺めながら、富士山の5合目付近を一周する信仰の道「御中道」をイメージした回廊を巡ることができます。 この度、山梨の富士山世界遺産センターのシンボルマークとロゴタイプ、そして展示のアドバイスを担当させていただくことになり、早速、幼い時から眺めていた富士山に足を運び、解説を聞きながら回ってみて、自分が今までいかに富士山のことを知らなかったか。まずそこに愕然とさせられました。美しいシルエットの裏に隠れた膨大で貴重な情報。その日から富士山の見え方が変わってしまいました。ロゴマークデザイン及び展示デザインアドバイス佐藤 卓さん (グラフィックデザイナー) 富士山は強敵です。北斎や大観くらいにならないと手に負えません。ですが、今回は県の方や地元の方が助けてくださいますので、私なりに立ち向かってみようと思います。恐ろしいながら、楽しみです。シンボル絵画制作山口 晃さん (画家)立体スクリーン「冨嶽三六〇」。富士山の1日の移ろいや四季の情景を照明演出によって表現する山口さんの代表作 千躰佛造立乃圖 2009 カンヴァスに油彩、水彩、墨 73 x 182 cm     撮影:宮島径©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Galleryおちゅうどうがくぜん

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