ふれあい特集号vol.42(デジタルブック版)
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  02今なお残る、雪害の爪痕この土地にあったビニールハウスが、一夜の雪でつぶれてしまった新しいハウス用にと栽培を始めた苗木は、順調に育っているやまなし発展の芽やまなし発展の芽フルーツ王国やまなし雪害を乗り越えて ブドウ、モモ、スモモの生産量日本一を誇る「フルーツ王国やまなし」を襲った2月の大雪。その大きな被害にも負けず、農家の皆さんが丹精込めて作った美味しい果物が、収穫の季節を迎えています。 「フルーツ王国山梨・スマイルプロジェクト」を立ち上げ、復興を支援しているハギトモこと萩原智子さんが、雪害でビニールハウスを失った山梨市の望月勝さん・喜久美さん夫妻を訪ね、復興への道のりや思いをレポートします。 山梨市下栗原。青々と茂るブドウ棚が広がる畑の隣に、無残に折れたブドウの木が点々と残っています。「ここは?」と尋ねた萩原さんに、「親から受け継いだビニールハウス4棟のうち2棟があったのですが2月の大雪で倒壊してしまいました」と望月さん。雪が積もる前からボイラーを全開にするなど対策を取ったそうですが、「一晩で1㍍も降るとは想定外。さすがに持ちこたえられませんでした。中には樹齢15年のピオーネの棚があり、これからという時だっただけに、全身の力が抜けました」と、悔しそうに語ります。 その言葉を、かみしめるように聞いていた萩原さん。「その頃私は、東京の自宅で大雪のニュースを食い入るように見ていました。画面に映し出される深刻な状況に、涙がこぼれたことを覚えています」お い

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