ふれあい特集号vol.41(デジタルブック版)
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一つ目の夢はJリーガーサッカー本来の楽しさを子どもたちに伝えていきたい 「今、少年サッカーがとても盛んで、県内にも上手な子が活躍できるチームがたくさんある。でも、全員が全員、高いレベルを目指しているわけじゃない。中にはサッカーは好きだけど仲間とうまくやれるかどうか心配という子がいたり運動は苦手だけどサッカーならやってみたいっていう子もいる。僕は、そういう子たちにサッカーの本当の楽しさを味わってもらうことで、それが何かの自信や、次のステップに進むための礎になればいいと思うんです」 そのためにも、一人一人の今の技術に合わせた指導をしたいと、主宰する「GREEN」は、あえてチームではなくスクールに。そんな千野さんを慕い、チームに所属しながらも遠くから指導を受けに来る子もいます。  「ときには怒りたくなることもあるけれど、そこで怒鳴ったら僕の負け。押さえ付けてやらせたら伸びなくなってしまう。子どもにも自分の考えも発想もあるのだから、そこは配慮したいし、好きだからやりたい、楽しいからやりたい、こんなこともやってみたいという子どもの自主性を大切にしていきたい」と話す千野さん。 まるで少年のような真っすぐな目で二つ目の夢を追いかけています。「週に1度ここで顔を合わせるだけという子も多いので最初はバラバラ。でも、1時間半練習していくうちに、なんとなくまとまりが出てきて、良い感じになっていくんです」「人の話を聞くとか、あいさつをするとか、そういう当たり前のことを自然にできる子になってほしいから、それを気付かせるように態度で伝えることを心掛けています」 土曜日の午後、韮崎市の竜岡スポーツ広場に集まってくる、サッカーボールを手にした子どもたち。指導者の千野俊樹さんが、「こんにちは」と元気な声で迎えます。 千野さんは、元プロサッカー選手。韮崎高校時代には年代別日本代表に選出され、国際大会も経験しました。卒業後はヴァンフォーレ甲府と契約し、小さい頃からの目標だったJリーガーに。ところが、待っていたのは厳しい現実でした。 「高校時代からプロの練習に参加させてもらい、多少なりとも自信があった。でも、ふたを開けてみたら、技術的にもメンタル的にも足りないことばかり。あれ? って思ったけど、自分のスタイルを変えることができなかった。甘かったんですよね」と、そのころを振り返る千野さん。2年半後には、活躍の場を求めてTDKサッカー部(現・ブラウブリッツ秋田)へと移籍します。 「もう一度J1へという強い気持ちでサッカーと向き合った5年半でした。26歳になり、このままサッカーを続けるのか、それとも新しい目標を追いかけるのか考えたとき、後者の気持ちが勝っていた。それで自分のサッカーは終わりにしようと」 早過ぎる引退を惜しむ声もありましたが、2011年シーズンをもって引退。地元韮崎に戻り、新しい目標=少年サッカーの指導者への挑戦が始まりました。「楽しそうに見えても、実は嫌なことがあったり、葛藤を抱えていたりする子どももいる」と千野さん。練習中も、子どもの心の動きを見逃さず、すぐに声を掛けるふれあい一瞬を大切にきらめく やまなしのシュン!19

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