ふれあい特集号vol.40(デジタルブック版)
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逃げないで果敢にぶつかっていく。私はどちらかというとすぐに逃げたい方なので、そういう姿勢には正されることが多いです」。その一方で「家族のことをとても誇りに思っていて、それが花子の力になっている。そこは私も同じなので、すごく共感します」と、花子への思いを語ってくれました。 また、実在した人物を演じるプレッシャーは、想像以上のようです。「登場人物としてじゃなく、村岡花子自身を好きという人もいるので。お孫さんの恵理さん(ドラマ原案『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』作者 村岡恵理さん)が時々スタジオに顔を見せてくださるので、お話を伺ったりしていると、どんなに花子さんを大事に思っているか伝わってきます。だから、そういう〝人の思い〞を大切にしなくちゃいけないなって」。村岡花子という一人の女性がいて、その人が亡くなった後も、その人の書いた物が次の世代、その次の世代に受け継がれている。今は、そういったことを意識しながら演じているそうです。 また、明治・大正・昭和という激動の時代を丁寧に描いていることも、このドラマの見どころの一つ。「ろうそくの灯の下でご飯を食べるシーンがあったんですけれどそういう時代の人たちが力強く生きて残してきた物を、風化させずに残そうとする現代の人、未来の人…。時代をつなげていくというか、運んでいくということを考えるようにもなりました」甲府市内に造られた花子の実家03 「村岡花子は『赤毛のアン』の主人公・アンと、どこか似たところがある人だったのではないか。故郷・甲府の風景や寄宿舎での生活など、自分の少女時代や育った環境を思い浮かべながら『赤毛のアン』の翻訳をしたのではないか。『花子とアン』の構想は、そんな仮説からスタートしました」と、チーフ・プロデューサーの加賀田透さんは言います。 ドラマでは、小作の娘として生まれ育った花子が、10歳の時に東京のお嬢様学校に飛び込み、困難にぶつかりながらも、力強く成長していく姿が描かれます。華族のお嬢様たちとの駆け引きや、花子が頭の中で思い描く妄想など、朝からおなかを抱えて笑えるようなシーンもたくさん出てきて、見た人が元気になれる作品です。 この役を演じて数カ月がたった吉高さんは、花子はけなげで、意志が強くて、きちんと認めることができる女性だと言います。「絶対に言い訳しないし、何事にも夢見る少女が夢を送り届ける女性へと成長していく半生記実在した人物を演じて感じることは山梨の貧しい農家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活を経て翻訳家となるヒロイン花子。震災や戦争を乗り越え、子どもたちに夢と希望を送り届ける人へと成長していく彼女の、明治・大正・昭和にわたる波瀾万丈の半生記。2014年3月31日(月)~9月27日(土)全156回放送予定NHK総合(月~土)午前8:00~8:15ほか平成26年度前期 連続テレビ小説やまなし発展の芽らん

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